展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

ミスター・ピップ

f0149664_22574341.jpgミスター・ピップ
ロイド ジョーンズ 著
大友 りお 訳

舞台は1990年初頭、ブーゲンヴィル島がパプア・ニューギニア政府によって封鎖された三年間。島の唯一の白人ミスター・ワッツが、ディケンズの小説『大いなる遺産』を子どもたちに一章ずつ朗読するところから物語は始まる。子どもたちは作品に描かれた英国社会に最初はとまどうが、次第に主人公の孤児ピップが本当に生きているように感じはじめ、村に近づく独立抗争の暗い影におびえつつも、ピップの世界で想像をふくらませる。
初めて本のすばらしさに触れた少女を襲う、過酷な運命とは?英連邦作家賞受賞作。


「大いなる遺産」かぁ。ディケンズ苦手なんだけどなぁ、などと不謹慎なことを思いつつページをめくると、瞬く間に魅了されてしまいました。悲劇に巻き込まれ、その現実から逃れることもできず、それでも生きていかねばならなりません。子供たちが夢中になった「大いなる遺産」が、子供たちを救うわけも無く、物語のような奇跡が起こるわけもありません。しかしそんな子供たちもいつかは、マティルダの両親や、ミスター・ワッツのように大人になってゆきます。ミスター・ワッツとの交流や、みんなで共に読んだ「大いなる遺産」のような、子供の心に残る思い出と感情。そんな形にできない物と共に大人になってゆきます。そして、マティルダの父親や、ミスター・ワッツと妻たちの過去も印象的でした。
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by umekononikki | 2013-03-21 22:57 |