展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

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パートナー

f0149664_235770.jpgパートナー 2009年
出演:キム・ヒョンジュ、イ・ドンウク、チェ・チョロ、イ・ハニ

小さな事務所の弁護士たちが、大手法律事務所と巨大企業を相手に正義を守るために戦う法廷ドラマ。

どうも、中途半端な感じが否めない。どの事件も、完全にスッキリ解決といかないのよね。確かに裁判には勝ちますが、問題の根源が解決されず物足りない感じ。お金の前には、法律も無力なのが現実なのか。しかし、勝訴までの証拠集めや裁判の弁論など見どころはあり、楽しめました。弁護士たちのキャラクターも魅力的。また、登場人物は、それぞれの立場が明確で、複雑な裁判の理解がしやすかったです。

様々な問題を解決していく中で、最終的にある企業が垂れ流していた科学物質による河川と土壌汚染により、多くの死亡者と中毒症状に苦しむ人たちを出した事件にたどり着く。この企業を相手取り裁判になるという、話が大きくなった割に、16話という制約の中でのラストとしては綺麗にまとまったのではないでしょうか?でも、視聴者側にはそんな事情より、ドラマが面白かったかどうか。中途半端な感じが否めず、難しいところです。でも、裁判が複雑化するとこれまた見るに堪えなくなってくると思うし、この辺りで良かったのかもね。

先に書いたように問題解決の面では消化不良でしたが、それぞれの弁護士達の行方には納得できました。カン・ウノとイ・テジョは、これからも弁護士としてパートナーとしても頑張っていくでしょう。キム・ドンウクも「国選弁護人」という選択には、賛成できます。ジョンウォンは、事務所を辞めて旅に出るのも潔い。イ・ヨンウはそんな彼女を追いかけようとしたところ、警察に逮捕されてしまう。これはやはり父親が、事務所を守るため息子に罪を背負わせたのでしょうね。許せないよね~。

もしパートⅡをつくるなら、兄イ・ヨンウを弟イ・テジョが弁護するなんてなったら面白いかも。完全に親子対決ですな。う~ん、ドロドロしそう。そう、このドラマ身内同士が裁判で争ったり、不倫が絡んだりする割にドロドロしていないところが良かったのよね。それも、イ・ドンウクとキム・チョロが、どうしても兄弟に見えなかったからかも。でも、2人ともかっこ良かったからいいのよ。

いや~、なんだかんだと言いながら、溜まった録画を一気に観たあたりハマってたのよね。
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by umekononikki | 2010-04-27 23:06 | 韓国ドラマ

安土往還記

f0149664_19585233.jpg安土往還記 辻邦生著

このところ気に入っている作家。きっかけはローマ史に興味があり、「背教者ユリアヌス」を読んでから。主人公ユリアヌスが、なんとも生き生きと描写されていました。ユリアヌスの境遇からして「生き生き」といった表現とは程遠いのですが、潔い生き方に魅力を感じます。

「安土往還記」ですね。

宣教師と共にヨーロッパより来た船の、船乗りから観た信長像。船乗りの書簡を基に、和訳調に書かれているところが面白い。これまでの「織田信長」という人物の印象が、ガラリと変わります。そして、物語の基となる書簡が、まるで実在しているような錯覚を覚え、この独特のリアリティが、あたかも信長が隣にいるような体温までをも感じさせます。また、当時の庶民の暮らしぶり、教会の建設、そして安土城が築かれ完成する描写も、パズルが完成していくような高揚があります。
「織田信長」は過激で超人的なイメージが、一気に生身の人間として目の前にいるような気分です。
数々の「織田信長」を題材にした小説がありますが、その中でもとりわけ本作は素晴らしい!
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by umekononikki | 2010-04-26 19:59 |
ここで、過去のコンサートも振り返ってみたいと思います。

f0149664_1912467.jpg樫本大進 J.S.バッハ無伴奏ヴァイオリン・リサイタル2010年2月20日(土)ザ・シンフォニーホール

当初、《オール・J.S.バッハ・プログラム》で

パルティータ第3番 ホ長調 BWV.1006
ソナタ 第2番 イ短調 BWV.1003
パルティータ 第2番 ニ短調 BWV.1004

の順だった予定が変更になり、

ソナタ 第2番 イ短調 BWV.1003
パルティータ 第3番 ホ長調 BWV.1006
(休憩)
パルティータ 第2番 ニ短調 BWV.1004
アンコールに、無伴奏ソナタ第3番~第3楽章ラルゴ

と、なっていました。

などと、分かったようなことを書いていますが、クラシックは門外漢。時々コンサートへは足を運ぶので、興味がないわけではありません。子供のころからの音楽に対する苦手意識が、音楽と作曲家と曲のタイトルを結び付けることを妨げているようです。(はい、もちろん言い訳です。)でも、先入観や余分な知識がない分、純粋に音楽を楽しんでいます。

そんな私ですが、今回のコンサートは、なんだか調子が悪そうに思いました。自身も何とか克服しようとしている焦りの様なものまで感じられます。それでも、それなりのレベルの音楽を聴かせるあたりは、さすがプロだなと感心させられます。
コンサートは、今回の様に奏者の焦りまで空気を介して伝わってきます。最高の演奏が聴けることに越したことはないですが、そこはライブならではだと思いませんか?だからコンサートって素敵ですよね。もし、クラシックに通じていたら、このコンサートは少々不満足に感じたかもしれません。でも門外漢ゆえに、ただ、そのライブ感を楽しめたのだと思います。

さて、コンサートの事をブログに書こうと思ったのは、勉強になるかと思ったから。そこで、まず「バッハ」のことから調べてみました。そうなのです、私のレベルってこんなものなんです。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach)は、18世紀に活動したドイツの作曲家。音楽史上における存在の大きさから、「音楽の父」と称され、ベートーヴェン、ブラームスとともに“ドイツ三大B”と呼ばれています。バッハ一族は音楽家の家系で、その他のバッハとの混乱を避けるためにJ.S.バッハや大バッハとすることがあるそうです。
とにかく眼疾患で受けた手術上手くいかず65歳で亡くなるまで、すばらしく輝かしい経歴。子宝にも恵まれまくり(早世した子供の少なくないですが)、音楽家としても活躍した子供も少なくない。その上、「音楽の父」なんて称されるようになるなんて、完璧すぎるのではないでしょうか。
クラシックど素人の私でも知っている曲「G線上のアリア」。バッハの《管弦楽組曲第3番》BWV1068のうちの「アリア」楽章に後世の人が付けた愛称。ニ長調からハ長調に移調させると、この曲がヴァイオリンのG線のみで演奏可能なことに気づき、ヴァイオリン独奏用にそのような編曲を施したことによるらしいです。(←理解はできないが、そういうことらしい。繰り返すがど素人なので。)
そして「BWV」。バッハの作品はシュミーダー番号(BWV、「バッハ作品目録」 Bach Werke Verzeichnis の略)によって整理されており、1950年にヴォルフガング・シュミーダーによって編纂され、バッハの全ての作品が分野別に配列されている。

ということころが、私に理解できる範囲でしょうか。「BWV」。冒頭の曲の末尾に付いているのはこれだったのか。

その演奏曲、「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」について。作曲時期は1720年、バッハが35歳、ケーテン宮廷楽長として、音楽好きの君主レオポルト侯に仕え、多くの世俗曲(協奏曲、室内楽曲)を書いていた頃の楽曲である。全体に重音奏法(複数の音を同時に出すこと。)が多く、演奏容易ではないそうです。この重音奏法が多用されていたのは、ど素人でも分かりました。

オペラ以外のあらゆる曲種を作曲し、マルチな人―いや、まさに「音楽の父」であることに納得。調べてみるとこんな偉大な人物だったのだと感心させられました。(いやはや、ど素人というより「無知」の域ですよね。)
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by umekononikki | 2010-04-22 19:32 | コンサート

白い巨塔

f0149664_20505672.jpg白い巨塔 2007年
出演:キム・ミョンミン、イ・ソンギュン、イ・ジョンギル、キム・チャンワン


多くを語るまでもなく山崎豊子著「白い巨塔」の韓国版。日本でもドラマ化されて有名なので、いまさらあらすじを書くまでもないかと思います。やはりこのドラマ、見るたびに医療とは何かと考えさせられます。

「唐沢寿明」版は観ましたが、主人公のキム・ミョンミンは唐沢寿明に似ている感じがしました。意識した配役だったのでしょうか?理由はどうあれ財前五郎-チャン・ジュンヒョク-を見事に演じていましたね。また、脇役陣の豪華なこと。もう、画面に映し出されるだけでオーラを感じます。非常に見ごたえのある出来栄えになっていました。韓国では、監督と主演のキム・ミョンミンが賞を受賞したのも頷けます。

そして、やはり唐沢版と比較してしまいますよね。唐沢版は古い記憶しかないので、イメージでしか書けませんが・・・。
唐沢-財前の方が憎々しかった気がします。比べて、ミョンミン-ジュンヒョクはストイックな感じでしょうか。
財前は医者のくせにきらびやかな世界に身を置き、何かをつかもうとする意志が強く表現されていたように思います。裁判も財前が負けても仕方ないなと思い、癌になって哀れだと感じました。彼を取り巻く病院の人間関係も、互いの利害関係を露骨に表現されていたような・・・。やはり日本のドラマなので、よりダイレクトに伝わってきたのかもしれません。
対するジュンヒョクは、あくまで自身は医者だという立場で、事故は、偶然、出世の為に忙しい時に起こった事で、これが出世に関わらず仕事に忙殺されても起こりうる事故といった印象があり、裁判に勝ってほしいと思いました。そして、最後まで応援したくなるような繊細なキャラクターでした。
ひとつの物語でも、これだけの解釈の違いを感じることができるのだなと興味深かったです。
ラストは、自身は癌だと気づくのですが告知はされませんでした。ここも唐沢版と違うところでしょうか。原作は確か、告知されなかったように思うので、韓国版の方が原作に近いのでしょう。(と、いっても、原作も恐ろしく昔に読んだので記憶がおぼろげ。)

途中の裁判では少々退屈になりましたが、全体的に綺麗にまとまっていたと思います。原作があるだけに、ラストに向けて迷いなく展開していくので安心感もあり、加えて繰り返しますが、出演者が豪華で見ごたえ十分です。楽しませて頂きました。

さて、豪華な出演陣にも負けない音楽ですが、サントラに参加している「アンサンブルDITTO」について。このドラマをきっかけに知ったのですが、なかなか素敵です。キム・ミョンミンのドラマ「ベートーベン・ウィルス」の影響で、韓国でもクラシックブームらしく人気を博しているようです。是非、チェックしてみてください♪♪♪
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by umekononikki | 2010-04-21 20:52 | 韓国ドラマ
f0149664_22405453.jpgアンネ=ゾフィー・ムター ヴァイオリン・リサイタル
2010年4月17日(土)14:00~
兵庫県立芸術文化センター(西宮) KOBELCO大ホール


ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番「雨の歌」
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番

アンコール
ブラームス:ハンガリー舞曲 第2番
ブラームス:ハンガリー舞曲 第1番
ブラームス:子守唄
マスネ:タイスの瞑想曲
ブラームス:ハンガリー舞曲 第7番

(ピアノ:ランバート・オルキス)


アンネ=ゾフィー・ムターは、ドイツ人で幼いころから数々の賞を受賞し、まさに「ヴァイオリンの女王」に相応しい。なんでも13歳でカラヤンに見出されたとか。そして、やっぱりど素人な私。「すごい人なんだ。」程度で、チケットを取りました。(本当にとんでもないです。)

当日は4月も半ば過ぎだというのに、日差しは暖かいのですが風が冷たかったです。しかし、前日までの寒さを思うとマシだったのですが、このところの寒暖の差に少々ばて気味。ニュースでは、東京の平野部でも積雪があったとか。このところ異常気象です。

西宮の芸術文化センターに着き、ざっと客層をみると、どちらかというと男性が多い感じがしました。やはり、女性には男性の、男性には女性のファンが付くものなのでしょうか?この日、福島のザ・シンフォニー・ホールでは、ユンディのリサイタルがありましたが、ほとんどが女性客なのだろうなと安易に想像できます。(最近、家族名を取り「ユンディ」としたみたいです。慣れるまで、どうもゴロが悪いわ。)そちらのコンサートに流れたのか、客席にはちらほら空席がありました。

良い意味で、いかにも女性的な女性にしかできない演奏だと。このところ男性の演奏ばかりだったので、非常に新鮮!男性のパワフルに対して、女性は強靭。しなやかで、男性とは違った広がりや豊かさがあるものですね。

さてここからは、曲について少し調べてみました。

ヴァイオリン・ソナタ 第2番は、ブラームスが夏の避暑地スイスのトゥーンで作ったもの。人生の絶頂期で、明るく伸びやかな感じの曲です。最初は、若干調子が出ない様でしたが(本当に素人が言うことではないですよね。すみません。)、途中からはこれが「ムター」なのねと納得の演奏。

次に第1番。「雨の歌」とあるように歌曲「雨の歌」から引用されている箇所があるためらしいです。しかし、ど素人の私にはどこがそれなんだか・・・。雨の日の思い出に浸っている曲調。

最後に第3番。第2番から2年ほどしかたっていないのに、曲調は変わり重くなります。親しい友人の死があったためだとか。眼を閉じて聞くと、自然とその悲しみが伝わってきます。

この後、アンコールに応えて5曲も演奏してもらえるとは!
ハンガリー舞曲は、ハンガリーのロマ音楽を編曲したもの。とにかくブラームスを堪能。
そしてタイスの瞑想曲は、ジュール・マスネが作曲した歌劇「タイス」の第2幕第1場と第2場の間の間奏曲だそうです。
もう、ここまでアンコールにも答えてもらえると感激です。

演奏が素晴らしいと夢見心地で、現実感が薄れてきませんか?演奏が終わり、スタンディングオベーションもちらほら、「ブラービ」の声も飛ぶと、「ああ、コンサートだぁ!生なんだぁ!」と実感できる瞬間ですよね。


さて、肝心のブラームスについて、ウィキペディアで調べると。
ヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms, 1833年5月7日 - 1897年4月3日)は、19世紀ドイツの作曲家、ピアニスト、指揮者。バッハ(Bach)、ベートーヴェン(Beethoven)と共にドイツ音楽に於ける「三大B」と称される一人である。ハンブルクに生まれ、ウィーンに没した。
子供のころから作曲の才能はあったが、自己批判により全て処分されている。完璧主義だったようです。
性格は子供には優しかったが、大人には無愛想で皮肉屋なために友達は少なかったよう。
今回のヴァイオリン・ソナタというジャンルが、ブラームスが45歳になってからつくられたのは、完璧主義のブラームスが自身に納得のいく形になるまでに時間がかかったからだそうです。このヴァイオリン・ソナタができるまで、廃棄された曲が何曲もあったようです。

いかにも芸術家肌なブラームス。
確かにヴァイオリンとピアノが、無理なく寄り添うように展開されるのは、聞いていて心地よく、曲も2人の息の合った演奏も、共に素晴らしいと感じました。

そして余韻に浸りながら会場をでると、サインを求める人に列が恐ろしく長いのに驚かされました。みなさん、無事サインを頂けましたか?
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by umekononikki | 2010-04-19 22:43 | コンサート

スターの恋人

f0149664_23365864.jpgスターの恋人 2008年
出演:チェ・ジウ、ユ・ジテ、イ・ギウ、チャ・イェリョン

大学講師のキム・チョルス(ユ・ジテ)は、幼いころ母親に捨てられたうえ、病気の妹を抱えて貧乏暮らし。そんな彼を支援する、元彼女のチェ・ウニョン(チャ・イェリョン)。彼女に借りたお金を返すため、仕方なく代筆のアルバイトを引き受けるチョルス。それはアジアのトップスター、イ・マリ(チェ・ジウ)の旅行記の代筆だった。
そして2人は出会い、恋に落ちるが・・・。

スターと貧乏人の恋物語なんてメロドラマの王道じゃない♪なんて思いながら見始めたこのドラマ。メロドラマと思って見ていたので、結構楽しめました。
物語は、周囲の人たちがどの人も良い人ばかりで、結局2人を追い込むのは世論だけ。ソ社長位がなんとか悪役かな。周囲から反対されればされるほど、恋って盛り上がるものじゃないかしら。その点、世論以外はみんな2人を応援してるんだから、物足りなかったかな。イ・マリの幼馴染のウジンも、「見守るだけの愛があるんです。」って、押しが弱いし。チョルスの元彼女のウニョンも、簡単に引き下がるし。イ・マリの元彼も突然やってくるけど、チョルスを応援する始末。
どうせなら逆に、周囲に反対されて世論に後押しされる方が良かったんじゃない?

それでも、チョルスとマリのキャラクターは魅力的で、共通点は決心がついたら即行動。いつまでも同じことに悩み続けない。だから、物語の展開も、メロドラマにしては早かったと思うんだけどなぁ。この2人のキャラクターを物語が生かしきれず、勿体ないドラマでした。
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by umekononikki | 2010-04-14 23:37 | 韓国ドラマ

長谷川等伯

f0149664_233214100.jpg長谷川等伯展
京都国立博物館

2010年4月10日の京都での初日に行ってきました。初夏並の気温に上着を脱いで、JR京都駅から国立博物館まで歩きました。10時半ごろ到着したのですが60分待ちの看板が!昼からの方が空いていたかもと思いつつ列に並ぶ。(観終わって出てきたら、列がなくなっていた!)もちろん博物館内も混雑しており、人と人の合間から覗き見るといった感じ。奈良の正倉院展を彷彿とさせる混雑でした。

では、いくつかの有名な作品の感想を。

楓図壁貼付
豊臣秀吉の命により描かれましたが、智積院は1682年の火事により大部分が焼失、再建された寸法に合わせる為に裁断・接合されています。
秀吉の命により描かれただけあり、豪華。太い幹に対し、赤や緑の繊細な楓の葉や根基にある草花がこれでもかといった感じに画面いっぱいに書きこまれています。これが全体の奥深さを表現されていて、太い幹が最近流行りの3D映像のように飛び出して見えるんだからまいっちゃいます。

仏涅槃図
親鸞供養の為に書いた涅槃図。縦10mの巨大さ。これは事前に大きさをテレビでも観ましたし、数字でも把握していましたが、実物を見るとやはりその大きさに圧倒されます。60歳代の頃にこの大きさの絵を描くなんて、本当、その気力体力に関心させられます。

山水図襖
ふすまの地模様を降りしきる雪に見立てて描かれた風景画。等伯は雪国の人なのだと感じさせられる1枚。全体を通して感じたことですが、どれも空気感が北陸の湿度を感じさせるんですよね。北陸の方ならきっと共感できるのではないでしょうか。(私も田舎が石川県なので。)なんでもお寺の住職が留守の間に、即興で描いたとか。そのために、等伯自身なじみ深い雪景色を選んだのかなと感じました。

松林図屏風
今回の展覧会の超目玉ですね。国宝の中の国宝と言いたいほどの素晴らしい作品でした。テレビやポスターで観ていると、なんだか寂しい絵だなと思いましたが、実物を観ると大違い!とても力強く、人知では測れない大きなものが描かれているような印象でした。霧に包まれた背景には、永遠に続く松林が隠されて、等伯自身の強い意志とか大きさ壮大さすら感じました。

この絵を描いた等伯の力量も凄いのですが、等伯という人柄もこの絵のように大きな人だったのでしょうね。


さて、今回の展覧会は絵のジャンルごとに分けられていて、多くの画家の展覧会のように時系列ではありませんでした。図録を買ったので、ちょっとそのあたりを勉強してみようかな。

また、開催期間中展示品の入れ替えがあり、枯木猿猴図は後期日程で展示されます。これはもう一度足を運ぶ価値があると思いました。日程が合えばもう一度行きたいと思います。しかし、京都の後期日程はゴールデンウィークに“どんぴしゃ”なので、さらなる混雑は免れないでしょうね。
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by umekononikki | 2010-04-14 23:34 | 展覧会

THEハプスブルク

f0149664_21121225.jpgTHEハプスブルク
京都国立博物館


京都国立博物館の庭にある「考える人」の後ろ姿が寒そうにみえる年始に行ってきました。お目当ての「ピザ」が食べられなかったことはよく覚えているのに、肝心の展覧会の内容は・・・。HPの解説を頼りに進めていきます。


まず、特別出品の「明治天皇から皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に贈られた画帖と蒔絵棚」ですね。
明治天皇が友好の印に、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に贈った画帖(日本の風景や暮らしを描いたもの)が世界初公開されていました。その芸術性もさることながら、当時の暮らしぶりが興味深かったです。

イタリア絵画では、16世紀ヴェネツィア派の巨匠たち、ジョルジョーネ、ティツィアーノ、ロレンツォ・ロット、ボルドーネ、ティントレット、ヴェロネーゼらの作品が展示されていました。中でも、ティツィアーノ《聖母子と聖パウロ》は、暖かい色彩と聖母のやさしいまなざしが印象的でした。

次は、スペイン絵画です。ハプスブルク家は、カール5世以来、ながくスペインを統治していました。エル・グレコ、宮廷画家ベラスケス、そしてムリーリョ、スルバランらの作品が展示されていましたが、やはりここではエル・グレコの《受胎告知》でしょう。このドラマチックといいますか、強烈な構図は一度見たら忘れられません。小学生のころ父と倉敷の大原美術館で観た《受胎告知》は、子供心に「こんなのあり?」と思わせるほど衝撃的でした。そうこの衝撃は、後に「北斗の拳」を初めて見たときに匹敵するくらい。(「北斗の拳」を観た時もまだ子供でしたから・・・。)好きとか嫌いとか、良いとか悪いとかは問題ではない、有無を言わせぬ迫力があります。因みにこの《受胎告知》、ほぼ同じ構図で3作品あるそうです。この作品と大原美術館のもの、そしてアメリカのトレド美術館だそうです。

これぞハプスブルクと感じさせる「ハプスブルク家の肖像画と武具コレクション」。

ベラスケスの傑作〈皇太子フェリペ・プロスペロ〉と、〈白衣の王女マルガリータ・テレサ〉が2点そろいます。またマルガリータと、女帝マリア・テレジア(メラー作)、皇妃エリザベート(ヴィンターハルター作)というハプスブルク家の三麗人の肖像が並びます。まさに絢爛豪華。ただ、デフォルメしすぎた肖像画は、池田理代子の漫画のよう。でもやっぱり美しく描いてもらいたい。だって写真のない時代なら、正確なところは後世の人たちは分からないもんね~。

そして次はドイツ絵画です。デューラーをはじめ、クラナッハやザイゼネッガーなどの作品をたどります。ドイツ絵画といえば、アルブレヒト・デューラー。《若いヴェネツィア女性の肖像》は、彼ならではの繊細さが感じられました。

フランドル・オランダ絵画では、ルーベンス、ヴァン・ダイク、レンブラントら、巨匠たちの作品です。レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《読書する画家の息子ティトゥス・ファン・レイン》ですが、絵の中にある空間の独特の空気感がとても素敵でした。

最後に皇帝たちが情熱を燃やした工芸品収集です。映画の中でしか観たことのないような、豪奢な工芸品の数々。優雅な暮らしぶりが想像できます。


とにかく「ハプスブルク家」の繁栄ぶりを感じられる内容でした。と、言葉にしてしまうと簡単になってしまいます。なぜなら、とてもその豪華絢爛な生活ぶりが、現実的に感じられないから。今日の晩御飯何にしようと毎日考える生活の私は、ため息が出るばかり。はぁぁぁ、羨ましい。
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by umekononikki | 2010-04-04 21:13 | 展覧会