展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

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本年はここまでで、次回は来年にアップしたいと思います。

今年1年、お付き合い頂いた皆様には感謝致します。ありがとうございました。来年も引き続きお付き合いいただければ、嬉しく思います。

今年読んだ本、足を運んだ展覧会等、書けていないものもあります。本では「みをつくし料理帖シリーズ」「阪急電車」など軽めのもの。「阪急電車」は先日阪急今津線で撮影をしているのを見かけ、流行に乗り遅れてはいけないとあわてて読みました。
展覧会では中之島で開催中の「自画像コレクション」に「ルーシー・リー展」。個人的には「ルーシー・リー展」の方が楽しめました。でも2つの美術館は近くにあるので、年末年始の休館日に注意して、両方に是非とも足を運んで頂きたいと思います。
韓国ドラマでは、遅ればせながら「美男(イケメン)ですね」を視聴中です。年甲斐もなく「キャーキャー」言いたくなるドラマですね。「コ・ミナム↑」と語尾を上げる呼びかけにハマってしまいました。携帯の待ち受けをこのドラマ関連の画像にしたくらいです。ほかに「憎くてももう一度」「テロワール」「グッバイ・ソロ」「天国の子供たち(ドンワン大好きなんです。無事に先日除隊となりましたね♪)」などを視聴中です。
コンサートは「ラン・ラン」「山本貴志」「ダニエル・ハーディング指揮マーラー・チェンバー・オーケストラ」のチケットを取りました。お陰で家計は火の車ですが、今から楽しみにしています。

ではみなさん、良いお年をお迎え下さいませ。
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by umekononikki | 2010-12-28 09:14
f0149664_1134284.jpgワイドビューの幕末絵師 貞秀
神戸市立博物館

12月23日。阪急三宮駅から歩くには、丁度良いぽかぽか陽気。抽選で当たった招待券を片手に、神戸市立博物館へ行ってきました。

抽選で当たったとはいえ、大人¥500のチケット。このお安さに展示数も少ないのだろうと、期待していませんでした。ところが¥500払ってもお得な充実の内容。ついでに言うなら、図録も¥800と御買い得。しかも期間中毎日11時と13時から約20分、インフォメーションスタッフによる作品解説があります。私も11時からの解説を聴きました。非常に解りやすくて面白く、「貞秀ってどんな人?」という方にはお勧めです。

まず「五雲亭貞秀(ごうんていさだひで)」について少し。幕末の浮世絵師で、歌川国芳を模範として学びます。国芳亡きあと浮世絵界を代表する絵師となり、3枚以上の木版画を連続した横長画面の大きな作品を得意としました。題材も外国人たちの生活や、上空から町全体を見渡す鳥瞰図など、これまでの浮世絵の枠を超えたものです。

f0149664_11344815.jpg作品は、とにかく細かい!先日観た「ブリューゲルの版画」並に細かかったです。だからと言って細部に囚われることなく、画面全体のバランスも秀逸。そして、3枚以上の版画を連続した大画面。1つの作品に見どころが盛り沢山です。迫力溢れる作品あり、ユーモアもあり、華麗さもありとバラエティーに富んだ内容。
2階のみの展示でしたが、細部まで観ていると十分満足できる作品数です。そしてその細かさに、版元が彫師を気遣って手を抜いてくれとまで言ったほどなんだそうです。

展示内容とは別に、この博物館のスタッフの手作り感が溢れる好感のもてる展覧会でした。年末年始に普段、美術館や博物館とは縁遠い方でも楽しめる展覧会です。お勧めです♪
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by umekononikki | 2010-12-27 11:35 | 展覧会

まっぷたつの子爵

f0149664_9285148.jpgまっぷたつの子爵
イタロ・カルヴィーノ著 河島英昭訳

メダルド子爵は、戦争で敵の砲弾をあび、まっぷたつにふっとんだ。左右べつべつに故郷にもどった子爵がまきおこす奇想天外な事件の数々。

イタリアのメルヘン。コミカルな表紙に魅かれます。
韓国ドラマ「私の名前はキム・サムスン」で、ミヒャエル・エンデの「モモ」が出てきます。それがきっかけで、大人になってから読みました。小学生の頃の読書の記憶と言えば、那須かずお著「ズッコケ・シリーズ」くらい。一般の人が、小学生時代に読んでいるだろう作品は全く知らない事に気付きました。メルヘン=子供向けというイメージを覆すのに、十分な魅力をもつ「モモ」。大人になってから読んだことが幸いし、この本を手に取るきっかけとなりました。

一時期「本当は怖いグリム童話」という本が流行りましたが、ヨーロッパにおける童話は、中世の戦争が繰り返された時期、城壁の外には蛮族がいるので城壁の外には出てはいけませんと、好奇心旺盛な子供たちを戒める役割があったと何かで耳にしたことがあります。また、中学校の夏休みの英語の宿題で訳した「シンデレラ」は、ガラスの靴を履くために姉たちは自ら足の指を切り落としたり、踵を削いだりしてたっけ。
現実はディズニーの様な夢見る世界とは程遠い、善悪が入り乱れる厳しいものです。世界は異なる考えをもつ人たちの集まりで、互いに協調し合ったり反発したり。そんな残酷さをもつ現実社会を、メルヘンの世界でユーモラスに皮肉って表現し、登場人物も多彩で魅力的。
物語は様々な側面を持っており、多くの事を考えさせられる奥深い作品でした。
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by umekononikki | 2010-12-22 09:29 |
f0149664_953142.jpgインディアナ、インディアナ
レアード・ハント著 柴田元幸訳

年老いて病んだひとりの男の人生の、深い喪失感と淡いユーモアが限りなく美しい小説と、本の紹介にあります。そしてなにより、ポール・オースターが絶賛している本です。


目前に本があります。本の装丁にタイトルから、内容を想像して本を開き、「どんな物語なのだろう!」とワクワクしながら、読みはじめます。そこには、ありとあらゆる世界が用意されています。

この「インディアナ、インディアナ」ですが、子供の宝石箱のような、純粋な煌めきが詰め込まれているようです。この物語の主人公ノアがコレクションした物の様な、大人には価値の無い物でも、子供にとっては美しく見えたり驚きがあったりするものがあります。大人になっても美しく感じる物もあれば、気持ち悪いものもあります。大人になって何かが変わったから、価値が見出せなくなったのでしょうか。純粋さを失うとか、知識が付いたからと単純に片付けたくない、説明のつかないこれまで持っていたはずの価値観の喪失。
物語は断片的で、登場人物たちの関係も、おおよその推測しか付きません。絵画に描かれた人物からは注釈が付いていなくても、色や雰囲気、ポーズから文字で表す以上の多くの事柄が読み取れます。そして、想像できます。同様に物語の筋よりも、想像する情景や感情や感覚が美しく、理屈じゃないんだよなぁと感じました。

何より小難しいことは考えず、子供の様に単純に感じる感覚を取り戻すことのできた、素敵な物語でした。
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by umekononikki | 2010-12-21 09:05 |

火山の下

f0149664_11261374.jpg火山の下 マルカム・ラウリー著 渡辺暁、山崎暁子訳

本の紹介より。
二つの火山を臨むメキシコ、クアウナワクの町で、元英国領事ジェフリー・ファーミンは、最愛の妻イヴォンヌに捨てられ、酒浸りの日々を送っています。1938年11月「死者の日」の朝、イヴォンヌが突然彼のもとに舞い戻ってきます。しかし彼は、妻を許すことができず、破滅に向かって突き進みます。

元領事のジェフリーが、まさに「酒浸り」状態。いや、アルコール中毒状態ですね。濃密な狂気と僅かの正気を、余すことなく感じる事が出来ました。1日の出来事を500頁にわたって書いているところからして、その濃密さがわかるかと思います。そして舞台がメキシコ。二つの火山に挟まれた町クワウナワクのラテンの雰囲気が、それに拍車をかけます。
しかも正気の読者が、狂気の主人公の物語を読む訳ですから、内容は当然難解。訳者が解説にあらすじを書くくらいなのですから、その難解さも納得でしょう。

それにしても、凄い世界観!アルコール中毒って、こんな堂々巡りのような取りとめのない世界に迷い込むことなのでしょうか。ただの酔っ払いの話と思いきや、とんでもなかったです。腹違いの弟ヒューの馬鹿げた過去の行動は、どれだけ馬鹿げた考えでも正気。しかし現在、イヴォンヌとヒューの2人と行動を共にしているジェフリーは狂気。一線を越えてしまったジェフリーは、もう後戻りできない大きな流れに飲み込まれてしまったよう。その「一線」は見えない位に細く、気付かない間に足元に引かれて、気付かない間に越えてしまうものに感じました。

余談
「一線」を書いていて、10年ほど前の映画「シン・レッド・ライン」を思い出しました。ジェームズ・ジョーンズの同名小説を、テレンス・マリックが脚色し映画化した作品。この映画、見えないはずの「シン・レッド・ライン」を見事に映像化していました。この映画で超える「一線」は、ジェフリーの超えた「一線」とは意味合いが違いますが、きっとこんな「一線」を知らぬ間に越えてしまったのだと思いました。
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by umekononikki | 2010-12-20 11:26 |
f0149664_961419.jpg私たちはまだ、その場所を知らない 小池昌代著

「詩」というジャンルは、どうも縁遠い。まだ「短歌」や「俳句」の方がなじみ深く、日常に中に七五調の文句が潜んでいます。「この先は 立ち入り禁止 警視庁」なんてね。

「詩」を愛する3人の物語。中学校の国語教師・坂口。教え子である女生徒ミナコに、男子生徒のニシムラ。

現代の物語なのにノスタルジックな雰囲気なのは、自身の経験を振り返ってしまうからなのでしょうか。制服の手入れなど、古風な女生徒の行動によるものなのでしょうか。イメージするネットやゲームに異存しがちな現代っ子ではない生徒だからかもしれません。
近年ネットやメールで匿名の発言が安易になり、「言葉」の重量が益々軽くなったように感じます。コミュニケーションの手段として重要な「言葉」が、安易に使われている現状がのどに刺さった魚の骨の様に気になって仕方ありません。また、政治家の失言も多いですよね。悪いとは思いませんが、妙な略語や造語も多いですし。これにはついていけません。
「言葉」は使い方により、カメレオンのように変幻自在であることに気付かされます。新聞、小説、詩、短歌、社内文書に広告や、漫才、落語、歌と、「言葉」のバリエーションは限りなくあります。言葉の選び方一つで、相手を傷つけることも、幸せにすることもできる、そんな当たり前の事に時々立ち止まって再認識する、心の余裕が大切なのかもしれません。「詩」にはそんな余裕を持たせてくれる魅力があるようです。理解できないものから、行間に語らせるもの。音を感じたり、文字を楽しんだり。
そんな「言葉」を大切に使う登場人物たちの、その使い方の差が、現代っ子との間にあるように思いました。だから、何処か古風な感じがしたのかもしれません。

そういえば、実家に母が昔読んだと思われる詩集があったなぁ。これまで全く興味が無かったので、頁を開いて「詩かぁ・・・。」位にしか思いませんでしたが、年末帰ったら読んでみようっと♪
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by umekononikki | 2010-12-17 09:06 |
f0149664_915304.jpg供述によるとペレイラは・・・ アントニオ・タブッキ著 須賀敦子訳

イタリア最高の文学賞ヴィアレッジョ賞受賞作。
舞台は、ポルトガルのリスボン。第二次世界大戦の前哨戦といわれるスペインで市民戦争が、激しさを増す中、隣国ポルトガルにもファシズムの影が忍び寄っていた。小さな新聞社の文芸欄主任ペレイラは、無垢な青年との出会いにより運命を大きく変えることになります。

リスボンの夏。ペレイラは、肥満体で頭の毛も残り少ない中年男。暑苦しい事この上ない主人公ですが、妻を亡くしてからは再婚も考えず何かあれば妻の写真に語りかけ、高血圧で健康にも消極的だけど気を使っている、どこかなごみ系なところに魅力があるのかも。レモネードとオムレツが好きで、こればかり食べているところは憎めません。新聞の文芸欄担当で、政局に関わらずリベラルな立場で記事を書くのも、ポリシィがある訳ではなく、面倒事にかかわりたくないから。
そこに登場するのがモンティロ・ロッシとう青年。卒業論文も他からの引用をしたと言っちゃうあたり、「馬鹿」が付くほど正直なのか純粋過ぎるのか、周囲に振り回されている感じです。仕事ができる訳でもないのに、ペレイラから給料の前借までする始末。
人物像だけを見ているとどうしようもないこの二人が、隣国スペインの内戦により緊張を感じさせる政局の中で出会います。「供述によるとペレイラは・・・」で始まる物語。見事にラストまで引き付けられました。
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by umekononikki | 2010-12-16 09:15 |

素粒子

f0149664_1045890.jpg素粒子 ミシェル・ウエルベック著 野崎歓訳

本の紹介によると。
国語教師ブリュノ、ノーベル賞クラスの分子生物学者ミシェル・ジェルジンスキ。二人の異父兄弟の人生をたどり、希薄で怠惰な社会を表しています。

フランスのベストセラーで、スキャンダラスな内容で話題になったようです。
ブリュノとミシェルは対照的な兄弟で、ブリュノはセックスなしでは生きていけず、ミシェルは逆に禁欲的。そうかタイガー・ウッズのようなセックス依存症なのか、ブリュノは・・・。いやいや、そんな安易な感じではなく、どれだけ身体を重ねても性的に満足できても、満たされることのない空虚な心。性を商売にしていない一般人同士の独特の希薄さが見事に表現されています。
一方ミシェルは、愛する人とのセックスでも快感を覚えられません。快感がないので、自然と禁欲的とならざろうえないのでしょう。
現代社会、とりわけ都会では、地下鉄の車内の様な限られた空間に大勢の人がいますが、乗り合わせた人たちは全くの他人である場がほとんどで、その空虚な空間をスキャンダラスに拡大拡張したような物語です。掴みとりたくても掴みとれなかった、与えたくても方法がわからなかった愛情や幸福感。もがいても、もがくことすら意味のないことの様に思えてくるむなしさ。愛情や幸福感を欲しなれば解決するのですが、与えられないと解っていても欲してしまう束縛感。
露骨な性的な表現が、眉をひそめます。そして、そこがこの物語の評価を二分する結果となったようですね。しかし、兄弟の行く末が気になり先を読まされてしまうあたりは、面白かったと言えるのでしょう。読者がどう思うかはさておき、兄弟にとってはハッピーエンドだったんじゃないかなぁ。
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by umekononikki | 2010-12-15 10:05 |

平将門

f0149664_8595627.jpg平将門-射止めよ、武者の天下 高橋直樹著

再来年のNHK大河ドラマが「平将門」だそうですね。主演が松山ケンイチだと言うことで、ミーハーな気分で読み始めると、そこには非常に男くさい世界が広がっています。冒頭から戦が始まり、一気にのめり込んで読んじゃいました。大河ドラマもこれくらい引きつけて離さないできであって欲しいと望むばかり・・・。

さて物語は、非常に男くさい骨太な武士の世界です。
戦国ものは数多くドラマになりなじみ深いのですが、時代はさらに遡ります。源頼朝よりまだ前の平安時代中期。戦国時代の「武士」とはまた違った「武士」像があります。私が抱いている平安時代のイメージからすると、当時の人に将門はかなりの野蛮人に映ったのではないでしょうか。しかし、将門は信念があります。それが正しいか間違っているかは、後世の人々が判断すればいいことで、時代の流れの中にいて「信念」を貫くことは簡単ではなかったでしょう。その様が、非常に男らしく描かれていました。
時代背景や当時の武士のあり様などわかりやすく楽しめました。
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by umekononikki | 2010-12-14 09:00 |

星の綿毛

f0149664_902166.jpg星の綿毛 藤田雅矢著

砂漠の惑星。「ムラ」と「トシ」を行き来する交易人により、生活の糧を得るための物々交換が行われている世界。ムラでは、「ハハ」と呼ばれる巨大装置が荒れた大地を耕し作物を育て、トシからはドウグを提供します。

キアヌ・リーブスの「マトリックス」と、宮崎駿の「風の谷のナウシカ」を足して二で割って乾燥させた感じ。(大雑把だなぁ。)いかにもといった空想の世界ですが、タンパクな表現で居心地の良いよい世界を作り出しています。作り込んだ精密さより、想像の余地のある分、世界に広がりがあり良かったなぁ。登場人物も、感情を抑えた表現でありながらも魅力的です。
個人的には、この世界観は非常に好きです。
物語は壮大に広がります。こういったテーマには、決定的な結末を用意することはできないですよね。それでも、この異世界にいつまでも浸っていたい幸福感は、どんな結末にも代えがたいのかもしれません。
一言に「SF」といったジャンルに分けることのできない、素敵な物語でした。
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by umekononikki | 2010-12-13 09:00 |