展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

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日本絵画のひみつ

f0149664_20945100.jpg日本絵画のひみつ
神戸市立博物館

2011年12月24日(土)、神戸へ足を運びました。この日は冬型の気圧配置で、三宮から博物館までの僅かな道のりでも寒さがこたえました。さて展覧会の内容ですが、セミナーを受講したかのような、見る人に寄り添ったものでした。17世紀から19世紀の日本画が中心に展示され、西洋画からいかにして画法などを取り入れていったかが紹介されています。こういった類の本を読んでも、なかなか面白いとは感じにくいものですよね。そんな悩みを解消してくれる、かゆい所に手が届いた満足を味わいました。この視点、斬新で面白かったです。寒い中、足を運んだ会がありました。

さて今年の更新は今回で終わります。
年始は以下の2つの展覧会に行く予定です。

国立国際美術館
「草間弥生 永遠の永遠の永遠」

JR京都伊勢丹
「生誕250年記念展 北斎の富士 冨嶽三十六景と富嶽百景」

来年も魅力的な展覧会が多くて楽しみです。コンサートはしばらくお休みして、読書も少し減らして資格の勉強でもしようかと考えています。もしくは趣味にはしった勉強になるかも・・・。いずれにしても来年も引き続きお付き合いいただきますよう、よろしくお願いいたします。
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by umekononikki | 2011-12-27 20:11 | 展覧会

海にはワニがいる

f0149664_22452445.jpg海にはワニがいる
ファニオ・ジェーダ著
飯田亮介訳

パキスタン、イラン、トルコ、ギリシア、そしてイタリア―アフガニスタンを逃れた10歳の少年は、母が消えた翌朝からただ一人、安住の地をさがしもとめ命をかけて国境を越え、旅をつづけた。少年の苛酷な彷徨を、近しくも静かな視点でときにユーモアをまじえて描きイタリアをはじめ世界中の読者の心を動かした、事実にもとづく物語。

短いながらも、何かが胸に突き刺さるような物語でした。戦争に翻弄され、母子が離れ離れにならなければいけない。その後の放浪生活の過酷さ。わずか10歳の少年が、なぜ悲劇的な運命を受け入れることができたのか。悲劇の中でも少年の「学校に行き学びたい」という気持ち。暖かい食事に、安らかに眠れる場所に感謝する。その純粋な思いに心が打たれました。当然、この物語の背景には、知っておかなければならない正解の情勢があります。しかしその国の情勢も、この少年をみていると僅かでも明るい光がさしているかのようにも感じました。私たちが忘れがちな心を、この少年に気づかされました。
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by umekononikki | 2011-12-26 22:45 |

ザ・カブキ

f0149664_2234585.jpgザ・カブキ
東京バレエ団
2011年12月23日(金・祝)
兵庫県立芸術文化センター
KOBELCO大ホール
15:00開演

バレエであだ討ち劇ということに惹かれました。昨年ミラノ・スカラ座で絶賛されたそうですね。これまた、バレエはまったく知識も無く、ただただ面白そうという好奇心で、チケットをとりました。本当、安くは無いチケットを、こんな動機で買ってしまってよかったのだろうかとも思いましたが、あまりに面白うそうな公演だったのでつい・・・。その心配は無用でした。バレエの技術的なことは分かりませんが、非常に魅力的な演出に魅了されました。日本特有の物語と、まるっきり西洋のバレエとの融合。その両者のバランスの絶妙なこと!バレエとはいえ、舞台に衣装、メイク、物語と、日本人が演じるにふさわしい舞台です。ラストのあだ討ちシーンは圧巻で、思わず息を呑んでしまいました。四十七士が勢ぞろいするシーン、屋敷の中をを駆け巡るシーンが印象に残っています。そして会場の照明がついても、拍手が鳴り止みませんでした。DVDとか発売されてないのかしら。もう一度観たいと思うほど、素晴らしかったです。
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by umekononikki | 2011-12-25 22:34 | コンサート
f0149664_21164362.jpg雪男は向こうからやって来た
角幡雄介著

ヒマラヤに棲むという謎の雪男。その発見に情熱を燃やす人たちがいる。捜索隊に誘われた私は、雪男を探し続ける人々の奇妙な体験談にも引き込まれていく。延べ60日を費やした捜索の結果は・・・?

図書館で貸出中だったため「空白の五マイル」を先に読了しましたが、本当はこちらを読みたかったんです。だって「雪男」だなんて、小学生の冒険ロマン物語にしか登場しないものだと思っていました。それがノンフィクションだなんて、読まずにはいられません。
本書を読んで雪男の存在を信じるかと聞かれると、俄かには信じられません。しかし、いたほうが面白いので、いてほしいと思いますね。「雪男らしきものを見てしまったがために・・・。」で、すっかり取り付かれた人たちの物語は、UFOのように荒唐無稽な印象は無く、何かそれらしい生き物の存在を感じさせてくれます。是非、雪男を発見し、いつの日か新聞の一面を飾ってくれることを願います。面白かったです。
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by umekononikki | 2011-12-21 21:16 |

偽りの来歴

f0149664_21395080.jpg偽りの来歴
20世紀最大の絵画詐欺事件
レニー・ソルズベリー、アリー・シジョ著
中山ゆかり訳

たとえ贋作でも、「来歴」さえあれば売買は成立する──そんなレトリックを駆使した詐欺師は、驚くべき方法で美術史を捏造した。美術界を震撼させた事件を追うドキュメンタリー。

ノンフィクションなんですねぇ。なんとも複雑な心境です。贋作にそれらしい「来歴」を付けて売買するなんて、許せない事ですが、その才能を他に生かせないものなのかと、ありきたりな感想を持っていしまいます。併せて美術品に対して敬愛もなく、「所持」することに満足を覚える人たちが居ることも悲しいことです。美術品の売買には桁外れの高額なお金が動くうえ、美術品の価値は定規で測れるようなものでもありません。だからこそ多額の利益が生まれ、「来歴」という一つの定規をセットにする必要があるのでしょうね。それにしてもこれだけの詐欺事件が実際にあったとは、ただただ驚くばかりです。ホント、凄すぎる!
それにしても、その真の価値はどこで測ればいいのかと、美術品や芸術品と言われる物に対してのスタンスを考えさせられた本でした。
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by umekononikki | 2011-12-20 21:39 |

昏き眼の暗殺者

f0149664_20301531.jpg昏き眼の暗殺者
マーガレット・アトウッド著
鴻巣友季子訳

1945年、妹のローラは車ごと橋から転落して死んだ……あれは本当に事故だったのだろうか? いま、年老いた姉のアイリスは、孤独のなか自分の来し方とともに思い返す。ある一族の波瀾の歴史を、孤独と追憶の迷宮のなかに描く、近代・現代文学の総決算。

調子に乗るまでが長かった・・・。「妹ローラの事故が、本当に事故だったのか?」という内容紹介を読んでいたので、すっかりミステリー色の強い物語かと思いきや、主人公アイリスの一族の物語。しかも年老いたアイリスが過去を振り返りながら、現在の自分の状況に愚痴をこぼす気難しい老人として長々と語る過去。いつ事件が起こるのかと思い読んでいましたが、事件が起こるというより、一族の物語に、新聞等の記事、「昏き眼の暗殺者」という物語が折り重なるように綴られ、何処かで少しずつ歯車がずれてきたように感じる違和感と不安を感じさせる展開。過去は過去になった瞬間から、記憶と記録との狭間の迷宮になってしまうのね。救われない物語ながらも、含みのあるラストは良かったかな。読み応え十分で、面白かったです。
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by umekononikki | 2011-12-19 20:30 |

ザ・スリングショット

f0149664_6542814.jpgザ・スリングショット
~男の物語~

2009年
20話
出演:パク・ヨンハ、キム・ガンウ、パク・シヨン、イ・フィリップ、ハン・ヨウン、イ・ムンシク、パク・ギウン他

パク・ヨンハ氏の自殺が、返す返すも惜しまれるドラマ。とても面白かったです。兄の経営する饅頭工場にあらぬ疑惑をかけられ、兄は自殺。兄の復讐に立ち上がった弟がパク・ヨンハ。対する復讐相手がキム・ガンウ。パク・ヨンハの仲間も、詐欺師に国際弁護士にマジンガーハンターなどなど個性派ぞろいで、楽しめます。キム・ガンウも妹だけを愛する、それ以外の人間に対しては血も涙も全く持ち合わせていない潔癖で冷血漢なところが素敵。刑務所に株操作、土地買収、政治がらみ、友情、家族愛と盛りだくさんで、飽きさせません。恋愛色の薄い、ガッツリ骨太な男の物語で満足させて頂きました。とりわけパク・ヨンハ氏は、「冬のソナタ」とも「オン・エアー」とも違う魅力的な一面を見せてくれただけに、本当に残念でなりません。そしてラストシーンが良かったです。あの含みのある微笑!ああっ、続きが観たいと思わせます。

余談:個人的に気になったことです。イ・フィリップが時々巻いていたスカル柄のスカーフ。アレキサンダー・マックイーンですよね?このドラマを視聴中は、私もマックイーンのスカル・スカーフを巻いてテンション上げてました。
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by umekononikki | 2011-12-16 06:53 | 韓国ドラマ

TPP亡国論

f0149664_6591981.jpgTPP亡国論
中野剛志著

TPP(環太平洋経済連携協定)参加の方針を突如打ち出し、「平成の開国を!」と喧伝した民主党政権。そして賛成一色に染まったマス・メディア。しかし、TPPの実態は日本の市場を米国に差し出すだけのもの。自由貿易で輸出が増えるどころか、デフレの深刻化を招き、雇用の悪化など日本経済の根幹を揺るがしかねない危険性のほうが大きいのだ。いち早くTPP反対論を展開してきた経済思想家がロジカルに国益を考え、真に戦略的な経済外交を提唱する。

これまでTPP賛成派でしたが、反対派に変わります。TPP反対!今の経済状況の中、知らない分からないでは済まされないと思い読みましたが、勉強になりました。解りにくい経済が、解りやすく解説されています。若干TPPから話題が逸れますが、TPPの危険性を如実に感じました。TPPで経済が活性化すると野田総理大臣は考えているのか、深刻なデフレの中、増税を唱えているし・・・。このままでは、先日読んだ「福島メルトダウン」と併せて、本当にあらゆる意味で日本は沈没しちゃうんじゃない?そんな折の大阪市長選挙で、橋本氏が当選。とにかくズバッと大革命を起こしてくれるかもしれないという、市民(府民も)の期待の大きさを感じます。それでも「大阪都構想」には、まだまだ不明瞭な部分が多く未知数を多く含んでいます。それでも煮え切らない日本政府に対し、こんな明確な政治家の登場に一筋の光を見たんだろうなぁ。話をもどしてTPP。反対の本は沢山出ているのに、賛成の本はあまり見かけませんよね。新聞やテレビじゃ、断片的で納得できません。両方の意見が聞きたいんだけどなぁ。
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by umekononikki | 2011-12-15 06:59 |

目には目、歯には歯

f0149664_65179.jpg目には目、歯には歯
2010年
監督:カク・キョンテ、アン・グォンテ
出演:ハン・ソッキュ、チャ・スンウォン、ソン・ヨンチャン、ソン・ビョンウク、キム・ジソク他

ハン・ソッキュ、チャ・スンウォンのダブル主演によるクライムサスペンス。白昼堂々ふたつの完全犯罪を成し遂げた犯人は、高い検挙率を誇る伝説の刑事、ペク・ソンチャンの名を語った。一方、当のペク刑事は考えていた辞職を保留し、捜査に乗り出す。

面白かったです。冒頭の現金強奪は鮮やかだったものの、完全犯罪の割には繊細さに欠け、犯罪の動機にしても簡単に想像できる程度のもの。それでも引き込まれたのはやはり、ハン・ソッキュとチャ・スンウォンの功績が大だと思います。そして物語を1時間半に収め、簡潔に進行させたからかもしれません。その簡潔さに、細かな疑問を抱く前に物語が展開し、あっという間にラストシーン。それだけにもう少し繊細さがあり、事件に巧妙な仕掛けがあれば文句なしなんだけどなぁ。カー・チェイスは流石に韓国映画で、見ごたえ十分。暴力シーンも、流石に韓国映画で残虐。ダブル主演の個性的なキャラクターの2人でしたが、ハン・ソッキュがプラス、チャ・スンウォンがマイナスと互いに引き立てあっているのがよかったです。そしてラストの飛行機の映像は、かなり好みな終わり方でした。
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by umekononikki | 2011-12-14 06:51 | 韓国映画

ワニの黄色い目

f0149664_14301365.jpgワニの黄色い目
カトリーヌ・パンコール著
高野優監修・翻訳、池畑奈央子翻訳

パリ郊外に住むジョゼフィーヌ(ジョー)は、中世フランスの研究をしている引っ込み思案な女性。娘二人と夫との家庭は、平凡ながら幸せなはずだった。夫が愛人と家を出るまでは。家計のやりくりに困ったジョーは、くじけそうになりながらも、必死に仕事に励む。そこに、自信家で美人の姉イリスが、予想外の提案をする―「ジョー、わたしのかわりに小説を書いて」と。悩みながらも道をきりひらいていく女性を描き、フランスで圧倒的支持を受けた波瀾万丈なサクセス・ストーリー。

楽しめました。上下巻でしたが、瞬く間に読了。人生の転機って、いつやってくるか分からないもの。そして転機が訪れた時に、階段を上がれるかは、それまでの自分磨きにかかっているのかもしれません。中世フランスの研究は、唯一、平凡すぎる主人公ジョーを輝かせる要素です。その要素をこれまで無意識にしても磨いてきた彼女。様々な要因が、偶然か、はたまた必然かがあったにせよ、唯一の要素を武器に、彼女は階段を一段上がります。年齢も、容姿も、性格も様々な女性たちが数多く登場し、それぞれの心の内を読者に明かすのも面白く、共感できたり、納得できたり・・・。日常生活に追われていると周りが見えなくなるといいますが、周囲の友達や姉妹、母親、同僚と、懸命に生きているのは自分だけじゃないと気付かされます。若くてハンサムな恋人もできたり、小説で成功するのかしらと気をもんだり、個性的な周囲の人たちの行方も気になるしと、「そんなに上手くいく訳ないじゃん。」と思いながらも先の気になる物語でした。そして、概ね読者が望むような結末を迎え、意外性が無かったものの楽しめました。加えて登場人物たちの、あまりにもベタな設定もどうかとは思いましたが、楽しめたからまぁいいかと。人生に悩みながらも、真っ当に努力していれば報われるという昔ながらのパターンに、この世知辛い世の中だけに、安心感と新鮮さを感じて良かったです。
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by umekononikki | 2011-12-13 14:30 |