展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

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地図になかった世界

f0149664_16291133.jpg地図になかった世界
エドワード P ジョーンズ著
小澤 英実訳

舞台は南北戦争以前のヴァージニア州マンチェスター郡。黒人の農場主ヘンリー・タウンゼンドはかつて、郡一番の名士であるウィリアム・ロビンズに、両親とともに所有される奴隷だった。大農園の主となったヘンリーが急逝する。若き妻ひとりと数十名の奴隷たちが残された農園のなか、「主人」と「奴隷」の関係にしだいに波紋が生じはじめる…。ピュリツァー賞、全米批評家協会賞、国際IMPACダブリン文学賞受賞作品。

何故か登場人物たちの名前が頭に入らず、「登場人物一覧」を何度も見直しながら読んだので、読み終わるまでに時間がかかりました。疲れた~。難解ではないのですが、時系列に物語が進まず、かといってラストに全てがぴったり収まるのとは違う、新鮮な感覚を味わいました。黒人奴隷の悲惨さを描くというより、「ひずみ」を具象化したよう。白人が黒人を奴隷とするだけでなく、黒人が黒人を奴隷としてしまう、白人同士、黒人同士、奴隷同士、それらの関係に「ひずみ」がにじんでくるように感じました。黒人奴隷のこういった側面からの切り口が、新鮮で衝撃的でした。
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by umekononikki | 2012-01-29 16:29 |

天国は、ほんとうにある

f0149664_20504466.jpg天国は、ほんとうにある
トッド・バーポ、リン・ヴィンセント共著
阿蘇品友里訳

愛する息子の死の危機を乗りこえ、やがて、天からの「奇跡の贈りもの」を受けとる家族の真実の記録。虫垂炎の手術で生死の境をさまよった4歳のコルトンは、奇跡の退院のあと、両親に驚くべきことを話し出した。牧師をしている父、“私”は、戸惑いながらも、一心にコルトンの話に耳を傾けるうち、その天国の描写が、聖書のそれとあまりにも一致していることに気がつく。幼い少年の口から紡ぎだされる天国の話に、大人たちは学び、やがて、癒されていく……。

キリスト教信者ではない私には、あくまで御伽噺の域を出ませんでした。癒されるまではいかなくとも、心温まる物語でした。・・・。そう、これ以上のコメントが出てきません。個人的にはミッションスクールに通っていたのでキリスト教に関する知識はあり、それほど違和感を覚えませんでした。しかしやはり信者ではない私には辛い内容。物語としても、とりわけ意外性や、ドラマチックな展開があるわけも無く、丹波哲郎の死後の世界の物語のほうが面白かったかもと思い出したりもしました。(丹波哲郎・・・。懐かしいっ!)
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by umekononikki | 2012-01-25 20:50 |

ソーラー

f0149664_1904134.jpgソーラー
イアン・マキューアン著
村松潔訳

マイケル・ビアードは、狡猾で好色なノーベル賞受賞科学者。受賞後は新しい研究に取り組むでもなく、研究所の名誉職を務めたり、金の集まりそうな催しで講演をしたりの日々。五番目の妻に別れを告げられた後は、同僚の発明した新しい太陽光発電のアイディアを横取りしてひと儲を狙っている。そんな彼を取り巻く、優しくも打算的な女たち。残酷で移り気なマスメディア。欺瞞に満ちた科学界とエネルギー業界―。一人の男の人生の悲哀とともに、現代社会の矛盾と滑稽さを容赦なく描き切る、イギリスの名匠による痛快でやがて悲しい最新長篇。

イヤなヤツっていますよね~。そんなヤツに限って悪運が強く、軽やかに世間を渡っているように見えるもの。いつか罰が当たりますようにと、心の中で呪いをかけたくなります。そんなヤツが主人公。とにかく全てにだらしが無い。しかしどこか憎みきれず、不快感は薄い。それでもやはり物語の中だからでしょうねぇ。同じ職場にこんな人がいても、間違っても近づきたくありません。物語の解説に「現代社会の矛盾と狡猾さ」とありましたが、現代社会のありようを擬人化するとこんな人間になってしまうのかしら。夜になっても昼間のように明るい町。食べるものはあふれ、不景気と嘆きながらも店には多くの品物が並んでいます。エネルギー問題が深刻化しているにもかかわらず、これまでの便利さを手放すことができない人々は、自分さえ良ければいい主人公と確かに重なる部分があるように思いました。ラストは、これも一つの爽快感かと思えましたが、私たちの未来かもと創造すると恐ろしくもあります。でも、物語は面白かったです。
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by umekononikki | 2012-01-24 19:00 |

草間彌生

f0149664_19362565.jpg草間彌生
永遠の永遠の永遠

国立国際美術館

2012年1月20日(金)、昨年から楽しみにしていた展覧会にウキウキ気分で出かけました。そしてとても楽しかった展覧会でした。まずは入り口のガラス張りの壁と自動ドアから「水玉」♪入るとエスカレーターを降りる右手に「水玉柄」のバルーンが浮かんでいます。これだけで楽しい気分にさせられます。地下2階にはこれまた「水玉」柄の巨大なかぼちゃが展示されています。それを横目に地下3階へ。会場に入っても、居酒屋でまずは「生中」とばかりに「水玉」。そこからは、「水玉」から一変、「顔」や幻想の世界を描いた作品群。これが非常に新鮮でした。他に「水玉」模様の巨大なチューリップが置いてある、「水玉」模様の壁で囲まれた部屋。「魂の灯火」では、鏡張りの小さな部屋の中に入り体感する作品。色とりどりの電球が、無限の空間を創造しています。これは純粋に感動的でした。写真撮影できる作品もあり、写せるって思うだけでも心が躍ります。f0149664_19363524.jpg
これまでエキセントリックなイメージが強かったのですが、澄んだ無色透明、無味無臭な純粋さを感じ内容でした。いやー、楽しかった♪♪♪
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by umekononikki | 2012-01-23 19:36 | 展覧会

北斎の富士

f0149664_20575040.jpg北斎の富士
~富嶽三十六景と富嶽百景~
美術館「えき」KYOTO

2012年1月19日(木)、曇りで冬型の気圧配置で寒さの厳しい京都へ行きました。北斎を見る前に、特別公開中の建仁寺の兩足院で、長谷川等伯「水辺童子図襖」と、伊藤若冲「雪梅雄鶏図」を観て来ました。人が少なかったため、かぶりつきで心行くまで眺めることができました。しかしこの2作品も素晴らしかったのですが、建物やお庭、茶室についての解説付き!これが良かった!勉強になりました。f0149664_2058486.jpg
さて「北斎の富士」。会期も残り僅かだったため、平日にもかかわらずそこそこの混雑振り。富士という一つのモチーフで、ここまでのバリエーションを広げられるものかと、改めて北斎のすごさを感じました。東京では高層ビルが建つ現代でも、天気がよければ富士が見える場所が多いらしく、ましてや江戸時代ならばそうとう身近な存在だったのかもしれません。関西で育った私でも、様々な富士を見てすっかり身近に感じてしまいました。「さすが北斎!」と膝を打つ富士から、ユーモラスな富士まで楽しめた展覧会でした。
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by umekononikki | 2012-01-22 21:01 | 展覧会

星をとって

f0149664_20365754.jpg星をとって
2010年 20話
出演:チェ・ジョンウォン、キム・ジフン、シン・ドンウク、チェ・ヨンイン、パク・シビン他

保険会社に勤めるチン・パルガン。両親を亡くし、一文無しの上に幼い兄弟たちの面倒を見なければならなくなります。あることをきっかけに、自身が務める保険会社の弁護士ウォン・ガンハの家に家政婦として住み込むことになります。

キム・ジフン扮するウォン・ガンハが魅力的。クールな弁護士の彼が、どんどんチン・パルガンのとぼけたペースに巻き込まれていきます。そんなラブ・コメディの裏には、保険会社を創設したガンハの父親と、保険会社の現会長、パルガンの両親とが過去に何かあった謎が隠されています。 そんな謎がいつ、どのような形で明らかになるのかも見所のひとつ。前半はチン・パルガンとウォン・ガンハの掛け合いを楽しみ、後半は過去のしがらみが解き明かされてゆくのに目が離せませんでした。パルガンの妹や弟たちも可愛かったしね。でも惜しむらくは、登場人物たちの恋愛が案外あっさりと片付いちゃったところでしょうか。ドロドロは見苦しいですが、もう少しひねりがあっても良かったかな。それでも最後はもちろんのハッピーエンドで、楽しませていただきました。
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by umekononikki | 2012-01-17 20:37 | 韓国ドラマ

キャンバス

f0149664_2022833.jpgキャンバス
サンティアゴ・パハーレス著
木村榮一訳

前代未聞の高額で落札された1枚の名画。しかしその除幕式で絵が披露された瞬間、作者である老画家の表情が一変する。数日後、老画家が息子に明かしたのは驚愕の事実だった……すべての読者の魂を揺さぶる、天成の物語作家の長編小説。

画家の最高傑作をめぐる物語と、天才画家と息子の物語。この二つの物語の絶妙な絡まり具合が、なんとも良かったです。さっくり読めるボリュームのなのに、こんなドラマが詰まっているなんて。母と娘の関係はどうも互いの嫉妬に絡まりあいどろどろする印象があるのに対し、逆に父と息子の嫉妬は反発しあうものなのでしょうか。その一言で誤解を生み、その一言で全てを理解する。不可解な父の行動は、天才ゆえの頑固さによるものか、はたまた別の意味があるのか。様々な憶測をめぐらしている間もなく、あっという間にラストまで読みきってしまいました。面白かったです。
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by umekononikki | 2012-01-16 20:02 |

琥珀の眼の兎

f0149664_20192.jpg琥珀の眼の兎
エドマンド・ドゥ・ヴァール著
佐々田雅子訳

《エコノミスト》紙
《サンデー・タイムズ》紙
コスタ賞ブック・オブ・ザ・イヤーに選出!
王立文学協会オンダーチェ賞受賞!
陶芸家のエドマンドは東京の大叔父の部屋で出会った264の美しい根付に魅了された。やがて根付を相続した彼は、その来歴を調べはじめる。根付を最初に手 に入れたのは、彼の曽祖叔父だった。19世紀初頭に日本から輸出された根付はマルセイユに上陸して、美術収集が趣味の曾祖叔父の手に渡った。根付の壮大な旅路を追いながら、エドマンドは一族の哀しい歴史を知る。全英を絶賛の渦に巻き込んだ傑作ノンフィクション。


前半は、「根付」と西洋の文化とがしっくりこず、なかなか読み進められませんでした。後半ナチスが台頭するあたりから、俄然面白くなり一気に読みました。西洋と東洋の異なる美の対比は、歴史に翻弄されてもなおきらめきを失いません。西洋の富豪の文化は豪奢で、小さな根付たちはとても地味な存在に感じます。しかしその根付たちの繊細で小さな世界に、富豪一族の歴史までもが飲み込まれ、宇宙のような存在に感じました。先日読んだ「偽りの来歴」なんてとんでもない人たちがいる一方、このような息を飲むような切ない人々の歴史をも飲み込んだ来歴もあるのですね。ノンフィクションだと改めて思うと、とても面白く、興味深く読みました。
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by umekononikki | 2012-01-15 20:01 |

お嬢さまをお願い!

f0149664_13285198.jpgお嬢さまをお願い!
2009年 16話
出演:ユン・ウネ、ユン・サンヒョン、チョン・イル、ムン・チェウォン他

ユン・サヒョンが良かったぁ♪
我がままなお嬢様カン・ヘナ(ユン・ウネ)を改心させるべく、ソ・ドンチャン(ユン・サヒョン)が彼女に執事となります。彼には借金があり、お嬢様から金を巻き上げる魂胆でしたが、次第にお嬢様に魅かれていきます。
そんなこんなで、まったくもってラブ・コメディです。裏の話も表の話もありません。ガッツリ、ラブ・コメディ。そして何よりお嬢様の執事役のユン・サヒョンの功績は大きいのではないでしょうか。加えてイ・テユンが、途中からよく解らない髪型(そう、おでこを出したアノ髪形です。)をしだすしで、益々ユン・サンヒョンの株が上がります。ラストでもっと二人のラブラブなシーンを見たかったのですが、周辺の人たちの未来も少し垣間見れてよしとしましょうか。16話と韓国ドラマにしては短めで、さっくり干渉できました。毎度毎度、お嬢様のファッションセンスに驚かされながらも、これが一番楽しめたかも・・・。いやー、夢中に楽しく視聴できました。
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by umekononikki | 2012-01-14 13:29 | 韓国ドラマ

官僚の責任

f0149664_2123994.jpg官僚の責任
古賀茂明著

「霞が関は人材の墓場」――著者はそう切り捨てる。最高学府の卒業生、志を抱いて入省したはずの優秀な人間たちが集う日本最高の頭脳集団。しかし彼らの行動規範は、「国のため」ではなく「省のため」。利権拡大と身分保障にうつつを抜かし、天下りもサボタージュも恥と思わない……。

読んでいて呆れるばかり。官僚といい政治家といい、日本の政治システム自体が限界なのかもしれませんね。誰かこんな日本を変えてくれないかと思うのすが、やはり国民一人ひとりの意識が変わらなければいけないのかもしれません。震災に円高に苦しみ、借金は膨らむばかりの日本。問題山積で、本当に「日本沈没」が現実になりそうな不安。自分が生きている間だけどうにかなればいいかと考えるも、沈没の速度は加速し、今変わらなければ間に合わないと切実に感じました。最後の改革案は、少し言葉足らずなものを感じたものの、官僚の実態を知れただけでも勉強になりました。
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by umekononikki | 2012-01-13 21:02 |