展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

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二流小説家

f0149664_20424679.jpg二流小説家
デイヴィッド・ゴードン著
青木千鶴訳

ハリーは冴えない中年作家。シリーズもののミステリ、SF、ヴァンパイア小説の執筆で食いつないできたが、ガールフレンドには愛想を尽かされ、家庭教師をしている女子高生からも小馬鹿にされる始末だった。だがそんなハリーに大逆転のチャンスが。かつてニューヨークを震撼させた連続殺人鬼より告白本の執筆を依頼されたのだ。ベストセラー作家になり周囲を見返すために、殺人鬼が服役中の刑務所に面会に向かうのだが…。ポケミスの新時代を担う技巧派作家の登場!アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞候補作。

楽しかったぁ。冴えない中年作家が事件に巻き込まれ、不本意ながらもその冴えない頭脳で事件を解決に導く「探偵物語」ってところでしょうか。謎解きよりも、登場人物たちのやり取りが面白かった。最後の連続殺人鬼の告白は、ありきたりだったかなぁ。ドラマや映画によく登場する連続殺人犯の域だし。犯人の意外性も薄い。でもそれらを補うかのように、主人公の冴えない小説家ハリーの胸のうちを語る内容が魅力的。この先、一流の小説家になることはきわめて難しいでしょうが、食べていけるだけの稼ぎと、幸せな私生活を送れそうな予感。
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by umekononikki | 2012-02-19 20:42 |

引越しします

引越しします。この東海地方のこの町に来て8年と半年。転勤で、まさかこんなにも長い期間過ごすことになるとは思いませんでした。そしてこの度、元居た関西に戻ります。引越しで忙しくなり、ネットもこれから繋ぐので、次回の更新はいつになるか分かりません。
東海地方では、やはり名古屋ははずせませんよね。関西人の私には名古屋といえば名古屋嬢のイメージでしたが、実際の名古屋は違っていました。食べ物もおいしく、町もきれいで、何より関西に比べ静か!関西で言えば神戸のような感じなのですが、どこか整然としていて居心地が良かったです。思えば「愛地球博」もあったよなぁ~。懐かしい!意外と印象深かったのは、犬山城の階段の急さっ!上りも下りも四つんばいじゃないと進めない。まだまだ東海地方で行っていないところ、食べていないものが沢山あります。関西に帰っても、名古屋とその周辺地域には遊びに来たいと思います。
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by umekononikki | 2012-02-19 12:30

幻影の書

f0149664_16263149.jpg幻影の書
ポール・オースター著
柴田 元幸訳

救いとなる幻影を求めて――人生の危機のただ中で、生きる気力を引き起こさせてくれたある映画。主人公は、その監督の消息を追う旅へ出る。失踪して死んだと思われていた彼の意外な生涯。オースターの魅力の全てが詰め込まれた長編。オースター最高傑作!

言葉が出ないくらい素晴らしかったです。やっぱりオースターはいいなぁ!と、思わずつぶやいてしまいました。様々な人たちの様々な人生が、ある一点でぶつかるような後半は、ページをめくる手を止められませんでした。生きることに意味を求めることの複雑さを感じます。家族やキャリアなど個人にとって変えがたいものを失った時の喪失感は、「神の思し召し」や「運命」というにはあまりにも残酷に感じます。そんな生きる意味を問う心境になった時、単純に答えを得ることはできず、その答えが正しい道なのかと迷うもの。生きる意味に正解はありませんよね。なぜなら、あらゆる未来が用意されているのですから。その未来が幸せな未来や辛い未来とどんな未来かは未知ですが、未来があるということが生きる意味なのかもと、思わず哲学してしまいました。何はともあれこの独特の読後感!面白かったです。
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by umekononikki | 2012-02-18 16:26 |

金沢の風習

f0149664_213876.jpg金沢の風習 復刻版
井上 雪著

石川県金沢市で作家だった著者が、1978(昭和53)年に出版した随筆集の復刻版。市民の暮らしと伝統行事や習俗が濃密に結び付いた郷土の昭和の風景がぬくもりあふれる文章で描かれている。初詣や出初め式から除夜の鐘までの年中行事をはじめ仏事、祭り、伝統食などの50話を通じて四季豊かな金沢の生活を伝えている。99年、68歳で死去した井上氏は俳人でもあり、随筆の所々に織り込まれた自然美をうたう句が郷土愛に満ちた文に詩情をそえている。

両親が金沢出身なので、私のルーツでもあります。私自身は関西で育ったのですが、両親のライフスタイルは金沢色を濃く残しているように思います。とりわけ食文化ははずせないらしく、加賀雑煮に始まり、福梅はネットでおとりよせし、墓参りで金沢へ行くと車麩を大量に買い込んで帰ります。近年、その自分のルーツに関心がわいてきて、本書を手に取りました。時々、両親が金沢を懐かしむ話と重なるところも多く、興味深く読みました。今年も墓参りに金沢に帰る予定です。また新たな金沢を発見できるといいなぁ。
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by umekononikki | 2012-02-13 21:38 |

解錠師

f0149664_19543655.jpg解錠師
スティーヴ・ハミルトン著
越前敏弥訳

【アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長篇賞/英国推理作家協会賞スティール・ダガー賞/バリー賞最優秀長篇賞/全米図書館協会アレックス賞】八歳の時に言葉を失ったマイク。だが彼には才能があった。絵を描くことと、どんな錠も開くことが出来る才能だ。やがて高校生となったマイクは、ひょんなことからプロの金庫破りの弟子となり芸術的な腕前を持つ解錠師になる……プロ犯罪者として非情な世界を生きる少年の光と影を描き、世界を感動させた傑作!

面白くて、気がつけば最後のページをめくっていました。子供の世界と大人の世界の狭間にいる少年の世界を、金庫破りという闇の中でもなお瑞々しく描いています。そう、少年の成長物語の要素が強く、なんだかんだいっても少年の心には純粋なきらめきを持っていて、大人はいつの間にかどこかでそれを失ってしまったんだと、対比されているようにも感じました。少年の抱えるトラウマ、恋愛感情、信念を貫く強さ、複雑で他人の眼からは知ることのできない内面を見事に表現。いやー、こういう成長物語もありだなと、ダーティな世界なんだけど、すがすがしい成長物語でした。お勧めです。
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by umekononikki | 2012-02-12 19:54 |
f0149664_2344082.jpg僕の妻はスーパーウーマン
2009年 20話
出演:キム・ナムジュ、オ・ジホ、ユン・サンヒョン、ソヌ・ソン、チェ・チョルホ、イ・ヘヨン他

いやー、楽しかった。「お嬢様をよろしく!」ですっかりユン・サンヒョンにはまってしまったので、Gyaoで見逃すなとばかりに視聴。
高学歴なのに無職の夫オン・ダルスを就職させ、出世させるために奔走する妻チョン・ジエ。貧乏ながらも愛しあっている2人の間に割って入ろうとする、夫婦仲の上手くいっていない2組の夫婦。その1組の夫婦で、オン・ダルスの勤める会社の社長がホ・テジュンことユン・サンヒョン。就職、出世、社内に渦巻く陰謀に加え、初恋や不倫も織り込まれ、軽妙に描かれているので楽しめました。ダンナの出世争いに、後方援護するように奥様方も負けてはいません。ダンナが出世すれば、奥様方のパワーバランスも転換。夫婦の絆が描かれる一方での、この社内抗争も見ごたえあるものになっていて面白かったです。ドラマには様々な夫婦が登場し、様々な事情が描かれ、様々な夫婦の形を見ていると、「幸せ」って人それぞれとはいいますがまさにその通りと思わされました。
意外とまともなオン・ダルスに対し、2枚目と3枚目の微妙な位置につけていたハン部長には笑わされました。(←特にラストに近づいたころ!)もちろんホ・テジュン社長も、遊び人の悪い夫の反面、本当はとても純粋なところが素敵。そして何より女性陣!お互いの悪口を言いながらも友達で、なんだかんだと一緒に食事したりと、男性からはきっと理解できないんだろうなぁと思うこの女心の複雑さ。見事に表現されていました!理事夫婦の最後も、まさに絶妙な場面で奥様がだんな様に電話するんだから、これも長年よりそってきた証かもしれませんね。
視聴後、とても幸せな気分になれたドラマでした♪♪♪
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by umekononikki | 2012-02-11 23:05 | 韓国ドラマ
f0149664_21405856.jpg短くて恐ろしいフィルの時代
ジョージ・ソーンダーズ著
岸本佐知子訳

小さな小さな“内ホーナー国”とそれを取り囲む“外ホーナー国”。国境を巡り次第にエスカレートする迫害がいつしか国家の転覆につながって…?!「天才賞」として名高いマッカーサー賞受賞の鬼才ソーンダーズが放つ、前代未聞の“ジェノサイドにまつわるおとぎ話”。

滑稽でありながら笑えないところが、大人向けのおとぎ話。面白かったです。タイトル通りの「短い」フィルの時代。なんだか日本の総理大臣とも重なるかもしれません。フィルのように、あっさりと総理大臣になり、あっさりと辞任に追い込まれるんだから。笑いたいけど笑えないしね。東日本大震災や原発の対応も、お粗末過ぎるところが「恐ろしい」フィルの対応とも重なるし。しかもこればかりは、笑いたくもない上に言葉がでない。政治家や官僚たちはこの「フィル」のように観られていることに気づいているのでしょうか。短く単純な物語りながら、多くを感じ考えさせられた物語でした。
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by umekononikki | 2012-02-09 21:41 |

北斎展

f0149664_2073883.jpgホノルル美術館所蔵
北斎展
葛飾北斎 生誕250周年記念
京都府京都文化博物館

前期と後期で総入れ替えをするということで、前期は2012年2月3日に行ってきました。後期も行くぞとばかりに、前売り券はすでに購入済み。先日も「京都伊勢丹」での「北斎の富士」を満喫したにもかかわらず、再び北斎。どれだけ北斎の作品を観ても飽きません。しかも今回はすりの状態が良く、線はシャープだし色も美しいように思えたのですが・・・。(←素人だけに、自信が無い。)しかも有名な作品が一堂に並び、非常に見ごたえがありました。前期だけでもこの内容なのに、後期は総入れ替えされるなんて、本当に「ホノルル美術館」には膨大な量の浮世絵があるのですね。凄いなぁ~。版画という小さな画面だけに、観る人はかぶりつき状態。できれば平日等の空いている時間に行かれることをお勧めします。
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by umekononikki | 2012-02-08 20:07 | 展覧会

悪い娘の悪戯

f0149664_21245223.jpg悪い娘の悪戯
マリオ・バルガス=リョサ著
八重樫 克彦、八重樫 由貴子訳

50年代ペルー、60年代パリ、70年代ロンドン、80年代マドリッド、そして東京…。世界各地の大都市を舞台に、ひとりの男がひとりの女に捧げた、40年に及ぶ濃密かつ凄絶な愛の軌跡。ノーベル文学賞受賞作家が描き出す、あまりにも壮大な恋愛小説。

面白かったです。どうしようもない女を愛してしまった男。不思議と憎めないこのどうしようもない女に、私も男と一緒に振り回されることを楽しんでしまいました。下世話ながらこの男、もどうしてこんな女を好きになってしまったのかしら。普通にいい人で、後半にはまともな恋愛もできるのに、現状に満足することの無い女に翻弄されてしまうのですから、「愛する」ってことの不思議を味わいました。心をつかめそうでつかめないその微妙な感覚に、何を考えているか分からないミステリアスな面が女の魅力。男女が正反対の魅力をもちあわせているだけに、二人の行く末に引き込まれてしまいました。
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by umekononikki | 2012-02-07 21:24 |

シャンタラム

f0149664_2271519.jpgシャンタラム
グレゴリー・デイヴィッド ロバーツ著
田口俊樹訳

男は武装強盗で20年の懲役刑に服していた。だが白昼に脱獄し、オーストラリアからインドのボンベイへと逃亡。スラムに潜伏し、無資格で住民の診療に当たる。やがて“リン・シャンタラム”と名づけられた彼のまえに現れるのは奴隷市場、臓器銀行、血の組織“サプナ”――。数奇な体験をもとに綴り、全世界のバックパッカーと名だたるハリウッド・セレブを虜にした大著、邦訳成る!

文庫本にして、上、中、下巻の3冊という読み応えのあるボリューム。前半はインドを濃厚に描き出していているのですが、切り口が今までに無い斬新さがあり夢中にさせられます。途中、激しすぎる展開に少し食傷気味なんだけど、読むことをやめられない面白さ。そして何より、日本で平和ボケした私には理解できない世界。そこがたまらなく良かったです。本は自身が経験できない世界へと導いてくれますが、この物語の世界は理解に苦しむ価値観さえも肌に触れるかのように感じることで経験させてくれるところが凄いところです。物語としても、ジャンル分けできない複雑さ。読み終わった今でも、「なんだったんだぁ・・・。」と呆然とさせられるパワー溢れる物語でした。素晴らしい♪♪♪
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by umekononikki | 2012-02-06 22:07 |