展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

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f0149664_19364775.jpg誰も語れなかった沖縄の真実
惠隆之介著

私は殴り殺される覚悟で本当の沖縄を書いた!
わが国は危機を迎えている。この焦点が沖縄である。本書を読めば、国民が沖縄県民に抱く一種の贖罪意識が霧散し、どう沖縄政策を行えばよいのかが見えてくる。
“日本で最も悲劇の島”沖縄の本当の姿とは!?


読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」を見て、著者に興味が沸いたので読んで見ました。失礼ながら非常にキュートな話し方をされるのに、内容の過激なこと!まさにこれが「沖縄の真実」なのでしょう。驚きました。
心から沖縄を愛するが故の著者の言動は素晴らしいと思います。沖縄の現実を歴史、経済、政治など様々な角度から検証し、苦言は沖縄県民に対しての愛の鞭のように感じました。一方、国民も沖縄基地問題に留まらず、様々な面から現状を知り、それなりの対応をしなければなりません。沖縄に基地があるというだけの、単純な問題ではないということですね。
本書を読んで、日本の朝鮮支配や、伊丹空港周辺住民の空港に対する反応と重なる部分があるなと思いました。このように似たようなケースは多々あるのかもしれませんが、ここまで様々な要因が重なり絡まった糸は、そう簡単には解けないんだろうなぁ。だからといって、国の平和と我々の税金が使われている、眼を背けてはいけない問題です。本書の意義の重さを感じています。
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by umekononikki | 2012-08-31 19:37 |

月と詐欺師

f0149664_21534089.jpg月と詐欺師
赤井三尋 著

一代で財閥にのし上がった男・灘尾儀一郎に嵌められて、瀬戸俊介の父母と姉は自殺した。復讐を誓って大阪に戻ってきた俊介の前に現れたのが、詐欺団のリーダーという裏の顔を持つ春日だった。俊介が父の遺品を換金して得た1万円を資金に、いよいよ儀一郎&灘尾財閥殲滅の幕が切って落とされた。そして―。『翳りゆく夏』で江戸川乱歩賞受賞の実力派が描く、戦後の混乱期を背景にした社会派長編。

爽快な復讐劇で、とても楽しめました。戦前の関西の都市や経済界の描写が新鮮で、馴染みの土地だけにそれだけでわくわく。とりわけ今でも残る建物や、財閥の名残が、そういう歴史があったのかと興味深かったです。灘尾儀一郎のワンマンぶりが、個人的に知っている会社の社長を思い出させ、そういった面もあわせ二重の爽快感を味わいました。気がつけば詐欺が始まり、壮大な詐欺計画が徐々に見えてきたら、もう読むことをやめられませんでした。でもなぁ、最後のオチはなんだか美談っぽくて好みではなかったかも。詐欺チームのその後は、納得できただけに残念。でも一気読みは間違いなしです。
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by umekononikki | 2012-08-30 21:54 |
f0149664_19355873.jpg経済と国家がわかる 国民の教養
三橋 貴明 著

常識を疑わないバカが日本を壊す。今こそ“新しい教養”が必要だ。ニュース解説ではわからない“30の教養”があなたを変える、日本を変える。

読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」を見て、著者に興味が沸いたので読んでみました。他にも多くのテレビ番組に出演されていますよね。
経済状況のどうしようもなさから、「日本の経済ってどうなのよ?」と私でも理解できそうだったので読んでみました。無知な私としてはこの手の本を読むときは、専門家の一つの考え方というスタンスで読むようにしています。全てを鵜呑みにはできませんが、多くを得ることができた一冊でした。政治家や官僚たちに馬鹿にされているような昨今の政治。一人の国民として賢くならねばいけないのでしょうね。
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by umekononikki | 2012-08-28 19:36 |
f0149664_19323723.jpg庭、灰/見えない都市 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2)


庭、灰
ダニロ・キシュ 著
山崎 佳代子 訳

少年に多くの謎を残し、アウシュヴィッツで消息を絶った父。甘やかな幼年時代が戦争によってもぎとられ、逃避行を余儀なくされる一家の悲劇を、抒情とアイロニーに満ちた筆致で描く自伝的長篇。初邦訳。

解説を読んで、かろうじて飲み込むことのできた物語。自身の勉強不足が原因です。解説によればかなり前衛的な作品とありましたが、この世界文学全集は本当に野心的。好みであっても、好みじゃなくても、そこには心を掴まれる独創性がありますよね。ホント、毎度やられっぱなしです。さて物語ですが、悲劇的な幼年時代の中にも、見つけたい「何か」が落ちているのではないかと、記憶の断片が入った箱をかき回しているような印象でした。見つけたい「何か」が、一体何なのか。少年自身も掴みきれていないことも、少年にとっては悲劇の一因なのかもしれません。過去という土台の上に立っている現在の自分を肯定するためにも、過去は以外にも重要な要素であるということなのでしょうね。


見えない都市
イタロ・カルヴィーノ 著
米川良夫 訳

ヴェネツィア生まれのマルコ・ポーロが皇帝フビライ汗に報告する諸都市の情景。女性の名を有する55の都市を、記憶、欲望、精緻、眼差というテーマで分類し、見えない秩序を探る驚異の物語。

これは理屈ではなく、感覚で楽しむ物語なのでしょう。物語としての筋が極薄で、断片の結集ですが、やはり物語として成立していますよね。教訓じみた、真実ではない諸都市の情景。しかしそこには何かがあり、眼に見え、存在することが世界の全てではないと、現実と幻想の隙間を旅したような気分になりました。時々挟まれる、あのマルコ・ポーロと、あのフビライ汗との会話が、この世じゃない世界から現実世界へ連れ戻してくれる灯台の様な役割のように感じました。「庭、灰」とは掴もうとしているものが全く別物ですが、いずれも眼に見えない何かを掴もうと手を伸ばしたような物語でした。
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by umekononikki | 2012-08-27 19:32 |

特捜部Q―キジ殺し

f0149664_20163896.jpg特捜部Q―キジ殺し
ユッシ・エーズラ・オールスン 著
吉田薫、福原美穂子 訳

「特捜部Q」――未解決の重大事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。見事に初の事件を解決したカール・マーク警部補と奇人アサドの珍コン ビ。二人が次に挑むのは、二十年前に無残に殺害された十代の兄妹の事件だ。犯人はすでに収監されているが、彼一人の犯行のはずがない。事件の背後には政治 経済を牛耳るあるエリートたちの影がちらつく。警察上層部や官僚の圧力にさらされながらも、カールは捜査の手を休めない――口うるさい新人も加入して勢い づく「特捜部Q」の大活躍を描く、シリーズ第二弾。

今回も楽しめました。物語は犯人探しではなく、犯人たちが何をたくらんでいるのかに焦点があたっています。犯人たちの過去と現在に、それを追うカールたちの捜査が重なるように進み、捜査の手が過去から現在へ、あたかも逃走犯を追い詰めるかのように、いつ追いつくのかとドキドキさせられました。事件の壮絶さに対して、相変わらずのとぼけた捜査ぶりが中和剤になり救われます。早く第三弾が読みたいのですが、図書館で予約待ちだから、読むのは少し先になりそうです。図書館の予約待ちも、こんな気分で待っていられるならいいもんだと思ったりして。(最も、予約待ちの人数が1人だから言えることですが・・・。)
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by umekononikki | 2012-08-24 20:16 |
f0149664_215452.jpg黄金の少年、エメラルドの少女
イーユン・リー著
篠森ゆりこ訳

代理母問題を扱った衝撃の話題作「獄」、心を閉ざした40代の独身女性の追憶「優しさ」、愛と孤独を静かに描く表題作など珠玉の9篇。O・ヘンリー賞受賞作2篇収録。

お盆休み、甥っ子たちの来襲で、読書どころではなかったのよねぇ。お盆休みも終わり、ようやく通常の生活に戻りました。読書再開と思いきや、甥っ子たちと全力で遊び、帰った後の掃除やら片づけやらで疲れ果て、本を開くととたんに睡魔に襲われました。この薄い短編集を読むのに、どれだけ時間がかかるんだと思ってしまいました。
さて感想です。「さすらう者たち」の作者の短編集。「さすらう者たち」が良かったので、期待しすぎたのかしら、少し物足りなさの残る内容でした。表題作と「優しさ」「獄」が好み。どの物語も、孤独なんだけれど愛を感じます。一見、孤独と愛は正反対のもののようですが、ここでは寄り添うように存在しています。その冷たさと暖かさのバラスが絶妙。素敵な物語が詰まっていました。
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by umekononikki | 2012-08-23 21:54 |

製パン王キム・タック

f0149664_19432315.jpg製パン王キム・タック
2010年
全30話
出演:ユン・シユン、チュウォン、ユジン、イ・ヨンア、チョン・グァンリョル、チョン・インファ、チョン・ソンモ、チョン・ミソン、チョン・ヘソン、チェ・ヘジャ、チェ・ユニョン、チャン・ハンソン、パク・サンミョン、イ・ハヌィ、パク・ソンウン、ファン・ミソン、他

コソン食品の会長には2人の息子がいますが、一人は妻と会長の秘書との間にできた子。もう一人は会長と使用人との間にできた子。この二人の息子が後継者争いで火花を散らすことになります。
間違いなくパンが食べたくなります。ドロドロの後継者争いの物語ですが、会長がパンを焼く姿には笑いがあります。あんな準備体操(!?)は、本当にドラマならでは。はっはっはっ!しかしまぁ、若奥様の傍若無人ぶりには辟易の内容。彼女がいなけりゃ、物語はこうもややこしくならないのでしょうが、度を越している分、どうも馴染めなかったかな。ハン室長も同様ですが。暴力と非人道的な嫌がらせを見るたびに「そろそろ韓国ドラマから卒業かな・・・。」と思います。でも、ついつい観ちゃうんだよね。物語は後半になるとキム・タックのサクセスストーリー色が強くなり面白いんだけど、そこに至るまでの韓国ドラマ独特の濃さが食傷気味に感じました。
キャストはなかなか豪華だったのではないでしょうか。物語りもよく練られていて、それなりに見ごたえもありましたし。韓国ではかなり良い視聴率だったのもうなずけます。と、いうことで、なんだかんだと面白かったし、ハッピーエンドだったので、まぁいいか。
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by umekononikki | 2012-08-20 19:43 | 韓国ドラマ

特捜部Q-檻の中の女

f0149664_10241360.jpg特捜部Q-檻の中の女
ユッシ・エーズラ・オールスン 著
吉田奈保子 訳

「特捜部Q」未解決の重大事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。カール・マーク警部補は「Q」の統率を命じられた。しかし、あてがわれた部屋は暗い地下室。部下はデンマーク語すら怪しいシリア系の変人アサドひとりのみ。上層部への不審を募らせるカールだが、仕事ですぐに結果を出さねばならない。自殺と片付けられていた女性議員失踪事件の再調査に着手すると、アサドの奇行にも助けられ、驚きの新事実が次々と明らかに。北欧の巨匠が本邦初登場! デンマーク発の警察小説シリーズ、第一弾。

夢中に読める、娯楽色の強いものをと手にとりました。日本でブームのミステリーにはどうも興味がわかず、東野圭吾も未読。友達に激しく進められ1冊くらいは読んでみようかと思っていますが、なかなか優先順位が上位に来ません。そんななかでも翻訳本なら私の好みに合うかもと、手に取ったのが本書。うーん、ミステリーではないですね。犯人は物語の半ばでわかっちゃうので、犯人探しの意外性はありません。むしろ事件の謎よりも、主人公カールの相棒アサドの謎のほうが深いんだから!その謎のおかげで、続編も読まなくちゃという気分にさせてくれました。登場人物たちが魅力的で、スピード感もあり、読み出したらやめられないっていうのもわかります。ドラマを見ているような臨場感に、映像化も興味がわく物語でした。
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by umekononikki | 2012-08-19 10:24 |

シークレット・ガーデン

f0149664_1991568.jpgシークレット・ガーデン
2010年
全20話

出演:ヒョンビン、ハ・ジウォン・ユン・サンヒョン、キム・サラン、イ・フィリップ、イ・ジョンソク他

ロエルデパートCEOキム・ジュウォンと、スタントウーマンのキム・ライム。二人の魂が時々(←このさじ加減が重要)入れ替わる、新感覚の恋愛ドラマです。
別に魂が入れ替わらなくても、十分に面白かったんだけどなぁ。どうもファンタジーっぽい物語は受け付けないので・・・。まぁ、魂が入れ替わるからこそ、物語が成立するところもあるのでそれはそれでいいんだけどね。個人的にはオスカーのだらしなさぶりが、結構ツボだったかも。ヒョンビンは文句なしに素敵だし、何をやっても絵になるし、これ以上どう褒めればいいのか分からないくらい。その分、オスカーことユン・サンヒョンが一見どうしようもない男っぷりを見せながらも、その心の繊細さが良かったかな。だってヒョンビンの役があまりにも完璧な人物過ぎていたので、人間くささが物語を視聴者の近くまでぐっと手繰り寄せてくれたように思います。他にも秘書の男の子も良かったし、スタントの同僚たちも素敵。いやー、韓国でもかなりの視聴率を稼いだ様ですが、期待を裏切らない面白さでした。笑いあり、悲しみあり、心をときめかされるシーンもありと、毎週NHKの放送時間が待ち遠しい大満足の20話でした。
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by umekononikki | 2012-08-17 19:09 | 韓国ドラマ

ポーツマスの旗・破船

f0149664_038322.jpgポーツマスの旗・破船
吉村昭自選作品集 第7巻

吉村 昭 著

ポーツマス日露講和会議と悲劇と外相小村寿太郎。江戸期の僻村の異様な習俗が招く海辺の悲劇。歴史に取材した二長篇。

「ポーツマスの旗」は、日露戦争の華やかな勝利に沸く裏側で、小村寿太郎のポーツマス日露講和会議でのやり取りを中心に描いた物語。外交の難しさと、小村寿太郎という人物の器の大きさを感じました。外交は戦争と同じとはよく言いますが、まさにその通りなんですね。スパイに本国日本とのやり取り、交渉術や情報収集に分析と、複雑に絡み合ったロープの中から、今引っ張るべき1本を見つけ出すような作業。非常に興味深く読みました。昨年までNHKでドラマになった「坂の上の雲」の後日譚と思い読み始めたのですが、非常に緊迫感に溢れ読み応えがありまた。

「破船」は、貧しい漁村のお船様と呼ばれる習俗が、村に悲劇を招きます。貧しさゆえに人を殺し、病から村を家族を守るために死を選ぶ。人間の二面性がこれほどまでに極端に、しかも同じ人物たちとして破綻無く描かれるとは!人間の持つ矛盾の闇に、フィクションですが圧倒されました。


さて、いよいよお盆休みですね。私も甥っ子たちの遊び相手をしなければならないので、しばらくお休みしま~す。
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by umekononikki | 2012-08-10 00:38 |