展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

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f0149664_1643027.jpg特別展 北斎
-風景・美人・奇想-

大阪市立美術館

2012年10月31日、天王寺公園内の大阪市立美術館へ「北斎」を観にいって来ました。今年に入ってから「北斎」関連の展覧会は、美術館「えき」KYOTOと京都文化博物館に続き3度目。いくら北斎が画狂老人で多くの作品を残したとはいえ、もうそれほど見ごたえのある作品は無いだろうと期待せずに足を運びました。が、流石北斎!私的には、これまでの人生で観た北斎を総括したような充実の内容でした。斬新な風景画はもちろん、美人画、とりわけ肉筆画は見ごたえがありました。ユーモラスな作品も多く、漫画を見るような感覚で楽しめました。中でも印象的だったのが「ナマコ」。2匹のナマコが扇子の中央に鎮座している作品。これが絵になるんだから、感心するやらおかしいやら。若いころ海に潜ったら必ず海底に無数のナマコがいましたが、これを絵にしようなんてどこをどうしたって思いもよらなかったわ。因みに海底のナマコを頭に乗せて「ちょんまげ」、なぁんてやってたんだから、あのころは若かった・・・。話がそれましたね。この展覧会の最後には、北斎最晩年の作品「富士越龍図」があります。亡くなる3ヶ月ほど前に描かれた、ほぼ絶筆に近い作品だろうといわれています。そう言われると、なんだか北斎の人生の終焉を表したかのように思えて、感慨深く見入ってしまいました。
それにしても浮世絵の展覧会って、細かい表現に展示作品数も多く、いつもスニーカーに斜め賭けバッグと楽な格好で行くのですが、それでも疲れるんですよね。この日も帰りに新しくなった梅田の阪急百貨店に寄りましたが、用事を済ませすぐに帰りました。日を改めて、じっくり買い物に行こうっと♪(←買い物大好きなんです♪まぁ、嫌いな人は少ないか。)
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by umekononikki | 2012-10-31 16:42 | 展覧会

無声映画のシーン

f0149664_20202578.jpg無声映画のシーン
フリオ・リャマサーレス 著
木村 榮一 訳

少年であり少女だった、すべての人に。心にしみる28のショート・ストーリー 。この30枚の写真は、ぼくが切なく楽しい少年時代に帰る招待状だった。『狼たちの月』『黄色い雨』の天才作家が贈る、故郷の小さな鉱山町をめぐる大切な、宝石のような思い出たち。誰もがくぐり抜けてきた甘く切ない子ども時代の記憶を、磨き抜かれた絶品の文章で綴る短篇集。

自身の少年時代の記憶なんだけど、その記憶の中に生きるもう一人の自分が、小さな出来事を積み重ね緩やかに成長していく物語のように思えました。時間というどうあっても前にしか進まないものを、自在に操っているような、不思議な雰囲気がかなり好みです。記憶は年をとるごとに薄れていきます。しかし時々、何かの拍子にふっと思い出す断片。その断片は妙に鮮明で、妙に現実味をもって目の前に現れることってありますよね。そんな時間を逆に回したような不思議な瞬間を具象化した印象です。そしてそこでももう一人の自分が、現実世界以上のきらめきを持って動いています。時間によって過去の出来事が凝縮され、濃厚になったかのようです。誰もが必ず振り返る子供時代の記憶を、記憶と言う形でここまで昇華させ、なんとも素晴らしい限りです。
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by umekononikki | 2012-10-27 20:21 |
f0149664_18334454.jpg日本人はなぜ日本のことを知らないのか
竹田 恒泰 著

自分の国がいつできたのか答えられますか?
学校が教えてくれない「世界最古の国」の奇跡を、明治天皇の玄孫にして、ベストセラー『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』(PHP新書)の著者が、強い信念をもって語った意欲作。巻末の「子供に読ませたい建国の教科書」では、「日本ってすごい!」という思いが自然と湧いてきます。


『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』に続いて読んでみました。益々、日本に、日本人であることに誇りを感じます。同時に、そんな歴史を持つ国に相応しい人間でありたいと、身が引き締まる思いもします。「愛国心」なんていうとすぐに右だとか言われます。しかし何事にも行過ぎれば問題ですが、健全な身体で健全な心で国を愛しているならば全く問題ないでしょう。
最近は後継者不足で、文化の継承に懸念が生じています。例えば工芸であればその技術だけを繋ぎとめようと、人材を探すことに躍起になっているようです。しかし本当は日本の教育に問題があるのかもしれないと、本書を読んで考えさせられました。枠組みの話で、現実的ではないし、精神論になるのでしょうが、日本を日本の歴史を知ることと無く日本を好きでもなく、誇りを感じていない日本人が、日本の文化を守ろうなんて土台無理な話です。工芸品であれば、技術の継承だけでなく、広いニーズがありそれを使う人がいなければ、技術だけを継承してもその意義は薄いと思うからです。
戦後教育を受けた私は、今後この辺りを勉強し直さなければならないなと感じました。この本、図書館で借りたので買いに行こうかしら。あと、今年は古事記編纂1300年で数冊本も買ったことだし、読み直さなければ!
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by umekononikki | 2012-10-26 18:35 |
f0149664_11412379.jpg日本人はなぜ世界でいちばん人気があるのか
竹田 恒泰 著

マンガ・アニメが席巻し、世界はいま空前の日本ブーム。しかし理由はそれだけではない。食文化、モノづくり、日本語、和の心、エコ―あらゆる日本文化に好意が寄せられている。それなのに自分の国を愛せなくなったのはあまりにも悲しい。なぜ『ミシュランガイド』は東京に最多の星を付けたのか?どうして「もったいない」が環境保全の合言葉に選ばれたのか?「クール・ジャパン」の源流を探ると、古代から綿々と伝わる日本文明の精神、そして天皇の存在が見えてくる。

タイトルと内容に乖離があるものの、興味深く読みました。何より最近の政治や世相に失望していた私に、日本人でよかったと感じさせてくれたありがたい本。限られたページ数の中では仕方が無いのかもしれませんが、ちょっとざっくり過ぎなんじゃないと感じるとこともありましたが、そこは興味があれば個人が調べれば勉強にもなり、たとえ著者と見解が分かれてもそれはそれでいいことなのではないでしょうか。後半は「天皇」についてクローズアップされたいたので、どっぷり戦後教育の私には遠い話のようにも思いました。しかし1800年から2000年以上も前からこの日本に存在し続けたことは事実であり、日本という国に、そして日本人に欠かせない存在だからこその事実なんですよね。遠いと感じる教育を受けた私のが、感覚が鈍感なのだなと気付きました。また、右よりだの、神話の話だの、象徴天皇とは何ぞやなどの論争は全くのナンセンスで、上手く言えませんがその存在自体が重要なことなのだなと思います。本書をきっかけに勉強不足であることを反省し、将来も日本人であることに胸を張れるよう勤めなければいけないなと感じました。
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by umekononikki | 2012-10-25 11:41 |
f0149664_15435491.jpg僕は、そして僕たちはどう生きるか
梨木香歩著

やあ。よかったら、ここにおいでよ。気に入ったら、ここが君の席だよ。コペル君14歳、考える。春の朝、近所の公園で、叔父のノボちゃんにばったり会った。そこから思いもよらぬ一日がはじまり…。少年の日の感情と思考を描く青春小説。

悪くは無いのですが、どこか取ってつけてきたような展開についていけず残念。面白かったんだけどなぁ。う~ん・・・。
自分の人生について考えさせられる出来事を、1日に詰め込んでしまったことに無理があったのか、一つ一つのエピソードは面白いのですが、どうもそれらのつながりに段差を感じて物語の世界に入り込めませんでした。14歳のコペル君の考えたことも、どこか浅くて、結局は彼自身の考えと言うより周囲の大人たちの考えに影響されて終わってしまっちゃったような・・・。ぐっと胸をつかまれるような要素も沢山あったのにね。
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by umekononikki | 2012-10-24 15:44 |

天にも昇る幸せ

f0149664_8333686.jpg天にも昇る幸せ
ルアンヌ・ライス著
吉田利子訳

一度しかないと思った人生で、二度目のチャンスを与えられたら、あなたはどうするだろう?サラは次の誕生日を生きて迎えることはないだろうと思っていた。だが、奇跡的に死の病を克服し、生還した。今度こそ新しい人生のスタートを切ろうと決意するが…。23作品連続でニューヨークタイムズ・ベストセラーのベスト10入りを果たした、ミリオンセラー恋愛小説家の代表作。

美しい物語。登場人物全員がいい人でおとぎ話のように現実離れした印象と、恋愛部分はメロドラマチックですが、それ以上に惹かれる要素が多くて物語の世界に浸ることができました。恋愛小説といってしまえばそれまでですが、そこには男女の愛だけでなく、家族への愛も織り込まれメロドラマに終わらない要素があります。父と娘、母と息子、兄妹などなど、不器用で、それぞれが愛を上手く伝えられません。上手く伝えられた愛も、上手く伝えられなかった愛も、永遠に伝えることのできない愛も、全て愛する気持ちは煌めいているんのだなと、静かな感動を与えてくれた物語でした。
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by umekononikki | 2012-10-23 08:33 |

マルティン・ルター 

f0149664_22323611.jpgマルティン・ルター
ことばに生きた改革者

徳善義和著

ことばの真理を追い求め、聖書を読んで読みぬく。ひとりの若き修道士の飽くなき探究心が、キリスト教の世界を根底から変え、新しい時代の幕をひらいた。マルティン・ルター。宗教改革者。聖書のことばをひたむきに見つめ、ヨーロッパに中世と近代とを画する歴史の転機をもたらした生涯を描く。

興味深く読みました。宗教色は薄く、ルターとことばを軸にその思想がよく理解できました。そもそも「聖書」なるものが、言葉で書かれたものであるかぎり、その言葉が理解できないと内容を理解することができないという、きわめて単純なのですが非常に根本的で重要であるということに気付かされました。ルターの思想は宗教だけに留まらず、歴史的にも重要な位置にあることも気付かされ、「宗教改革」とはいうものの、まさに時代を画する一線を引いた人なのですね。
また、そんな歴史的な大きな視点からではなく、もっと身近な視点にも目を向けさせられました。昨今の政治家や官僚たちの、国民を煙に巻くような発言や、どのようにも解釈できる言い回し。一方、上手く伝えられない事柄が、ある一言で明確に伝わる重要な言葉もあります。まさに言葉は使いようなのだなと感じます。そういった視点からも、著者のあとがきにある「ことばの回復」については、多くを考えさせられます。良書ですね。
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by umekononikki | 2012-10-21 22:32 |
f0149664_181472.jpg特捜部Q-Pからのメッセージ
ユッシ・エーズラ・オールスン著
吉田薫、福原美穂子訳

「特捜部Q」―未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。今回「Q」のカール・マーク警部補と奇人アサドのコンビが挑むのは、海辺に流れ着いたボトルメールの謎。ボトルから取り出された手紙には「助けて」との悲痛な叫びが。書き手の名前の頭文字はP。だが手紙の損傷が激しく、内容の完全な解読は難航した。Pはどうやら誘拐されたようだが、過去の記録に該当する事件は見当たらない…。北欧を代表するミステリ賞「ガラスの鍵」賞に輝く著者の最高傑作!人気の警察小説シリーズ、第三弾。

今回も楽しませて頂きました。なんたって間の抜けた私生活のカールとミステリアスですっとぼけたアサドが、未解決の難事件の犯人を着実に追い詰めていく緊張感を生み出すんだから、もう最高♪ああ、今回も難事件だったわと一息つくくらい、一緒に事件を解決する勢いで、力を入れて一気読みしてしまいました。
このシリーズの感想って、ホント、どこまで書いていいものやら悩まされます。ネタバレにならない程度に、でもこの面白さを書き留めておきたいし・・・。ユアサの秘密に、カールの同僚を巻き込んだ未解決事件の断片もほんの僅かですが明らかになります。カールの恋の行方も気になるし、カールの前妻(←この人は侮れません!)の恋愛も気になるし・・・。IKEAの家具にエコーの靴と、日本でも馴染み深いブランド名が、遠いデンマークの舞台にぐっと親近感を与えてくれます。シリーズ中(といっても、まだ三作目ですが。)一番の面白さだったように思うのは、登場人物たちがお馴染みになり愛着がわいてきたからかもしれません。第四弾が楽しみです!
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by umekononikki | 2012-10-17 18:14 |

石のハート

f0149664_2081751.jpg石のハート
レナーテ・ドレスタイン著
長山さき訳

家族すべてを失った12歳の少女、エレン。30年近い時を経て、彼女は惨劇のあった家へ舞い戻る。家族とは? 女であることとは? オランダ女性作家渾身の長編小説。

惨劇を通じて、過去の家庭がどれほど温かだったかを感じさせられ、胸が締め付けられる思いです。暖かな家庭が、何が原因で、どのように崩壊の道を歩み、生き残った少女のその後が断片的に語られ、それらの断片全てが少女の人生である重み。何がいけなかったのか、どうにかできたはず。そんな後悔をぶつける対象すらなくなってしまう、起こったことの明確さに対して真実が憶測でしかはかれない、気持ちの支えを根こそぎ全てが奪い去られた少女の悲劇。
抜け道の無いような息苦しさの中でも、ラストはかすかな希望に光が差してきます。少女にとっての家族は、家族以外の何物にも変えがたい大切な場所になったように感じました。
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by umekononikki | 2012-10-16 20:08 |

夜と灯りと

f0149664_9543189.jpg夜と灯りと
クレメンス・マイヤー著
杵渕博樹訳

元ボクサーの囚人、夜勤のフォークリフト運転士、ドラッグに溺れる天才画家、小学生に恋する教師、老犬と暮らす失業者、言葉の通じない外国人娼婦に入れ込むサラリーマン―。東西統一後のドイツで「負け組」として生きる人間たちの姿を、彼ら自身の視点から鮮やかに描き出す12の物語。極限まで切り詰めた言葉の積み重ねが、過酷な日常に射すかすかな光を浮き彫りにする。ライプツィヒ・ブック・フェア文学賞受賞。

独特な世界観が良かったです。東西統一後のドイツ「負け組」を主役の短編集なだけに、暗いし閉塞的なんだけど、どこかおとぎ話めいた現実と幻想の間を漂うようなほのかな灯を感じました。考えてみればどの物語も「そんなヤツいるかぁ~?」と思える人物ばかりが登場します。人生は上手くいかない時もあります。上手くいかないことが続くときもあります。そして上手くいかないまま終わっちゃうこともあります。でもそんな人生が「不幸」だと、結論付けられるでしょうか。子供向けの物語なら「そうじゃないよ」と分かる一節が入るのでしょうが、ここは大人の物語。しかも人生を、そんな簡単に結論付けられないことも重々承知しています。その複雑さを形にしたら、こんな物語ができましたといった感じです。一見救いようが無い閉塞感に息が詰まるのですが、読後はそんな登場人物たちに光を当ててあげたくなるような気分になりました。
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by umekononikki | 2012-10-14 09:54 |