展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

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私の心が聞こえる?

f0149664_222274.jpg私の心が聞こえる?
2011年
全30話
出演:キム・ジェウォン、ナムグン・ミン、ファン・ジョンウム、コ・ジュニ、イ・ギュンハ、チョン・ボソク 他

韓国ドラマは控えめになりそうなどと言っておきながら、やはり「ナムグン・ミン」は観たかったのよね。でもなぁ、ドラマの冒頭の数話は辛かった。貧しさゆえの悲劇と、逆らうことのできない権力からの悲劇。これらの悲劇が物語の発端となっているのですから。
さて物語りは人間関係が少々複雑。ざっくり、本当にざっくり言ってしまえば、感動のヒューマンドラマ。金銭的には恵まれた家庭にも、複雑な事情があり誰もが幸福とは言えません。一方、貧しくても愛してくれる家族がいれば幸せなはずなのに、それに気付かず手放してしまうこともあります。しかしそれが二つの家族の運命の歯車を大きく噛み合わせ、影響しあうことになります。
しかしまぁ、キム・ジェウォンって色白すぎ。うらやましいわ。ナムグン・ミンも後半は苦悩する姿がステキ。「感動のヒューマンドラマ」って本当は苦手なのですが、ヒューマンドラマだけに終わらず、殺人あり、企業の乗っ取りあり、復讐ありと手に汗握る展開に目が離せませんでした。そしてこの物語に欠かせない人物、チョン・ボソク演じるポン・ヨンギュ。彼の演技は素晴らしかったです。この俳優なくして、この物語は成立しないといっても過言ではないでしょう。全30話の、見ごたえ十分のドラマでした。
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by umekononikki | 2012-11-30 22:02 | 韓国ドラマ

白馬の騎手

f0149664_1522167.jpg白馬の騎手
テオドール・シュトルム著
高橋文子訳

吹き荒ぶ波と風、ドイツの北海沿岸の村で古い習慣と闘い堤内地を造るハウケ。英雄である彼とその家族におとずれる運命とは…。「白馬の騎手」をめぐって民間伝承と緻密なリアリズムで描かれた物語が絡み合う不朽の名作。

「訳者あとがき」にも、優れた文学作品には色々な読み方ができるといったようなことが書いてありましたが、まさにその通りです。一人の人間には様々な面があり、矛盾を含みながらも、一人の人間として成立している不思議を感じます。主人公ハウケは、果たして偉人なのか、怠惰が招いた悲劇の人物なのか、誰の理解も得られない孤独の人物なのかと、読後に振り返るだけでも多くの表情を見せる物語でした。思えば日本の昔話にも、このような要素がありますよね。ただしどちらかというと、余白を持たせて多くのことを想像させるのに対し、この物語では、さまざまな表現で、一人の人物をあらゆる角度から見せてくれます。短いながらも、非常に読み応えのある物語でした。
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by umekononikki | 2012-11-29 15:02 |

f0149664_13194359.jpg
ジャン・ジオノ著
山本省訳

舞台は、美しくも厳しい自然と対峙するフランス高地プロヴァンスの小さな集落。死の床についている長老ジャネはうわごとのように呪詛のことばを繰り返す。自然の異変を感じ取る村人たち。山火事が起こるに及んで、その原因をジャネにもとめるが……。『木を植えた男』で知られるジャン・ジオノの処女作。アンドレ・ジイドが激賞した詩のような物語。

あまりに美しい自然に囲まれた集落が舞台なだけに、度重なる不条理に原因を求めようとする人間の冷酷さまでもが、自然の摂理のように感じました。それだけに印象深い作品でした。これがもし、日本の山間の集落が舞台なら、もっと重苦しくなるんだろうなぁ、なんて想像してしまいます。「丘」ってところが、底抜けに明るい、牧歌的なのどかさを印象付けられ、あの明るいラストに繋がったのでしょうねぇ。限られた登場人物たちの間での、短い物語の中に、自然と人間、両者の複雑な関係を見事に詰め込んだ素晴らしい作品でした。
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by umekononikki | 2012-11-28 13:19 |
f0149664_18582622.jpgレディ・プレジデント~大物
2010年 全24話

出演:コ・ヒョンジョン、クォン・サンウ、チャ・インピョ、イ・スギョン、パク・クニョン、
イ・スンジェ、チェ・イルファ、イ・ジェヨン、アン・ソクファン、イム・ヒョンシク、イ・ジュシル、他

冴えない女性アナウンサーが、韓国発の女性大統領になる物語。で、その大統領になるのが、あの「善徳女王」のミシル役コ・ヒョンジョン。ミシルでは女王になれなかったけど、今回は大統領になれるのね。そして彼女を影ながら公私共に支えるのが、検事のクォン・サンウ。しかし、このクォン・サンウの役どころがなんとも間抜け。(失礼!)有能なんだか無能なんだかワケがわからん。(失礼!!)しかも最後まで、中途半端なままで検事をやめちゃうし。(失礼!!!)韓国の政治は歴代の大統領たちの行く末からも分かるように、このドラマ以上の暗黒部分があるのは周知のこと。その現実を知っているだけに、ドラマ後半くらいからその展開はないだろ~と、突っ込みまくりだし。あと政治的駆け引きでは「プレジデント」のほうが面白かったかも・・・。それでも最後まで観たのは、コ・ヒョンジョンの演技力のなせる業でしょうか?共演者も演技はぞろいだったしね。
飽きてきた、飽きてきたと書きつつも、しつこく観ている韓国ドラマ。早く卒業しなくちゃ!
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by umekononikki | 2012-11-27 18:58 | 韓国ドラマ

鉄の時代

f0149664_18555849.jpg鉄の時代
(池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-11)
J.M. クッツェー 著
くぼた のぞみ 訳

反アパルトヘイトの嵐が吹き荒れる南ア、ケープタウン。末期ガンを宣告された一人暮らしの初老の女性ミセス・ヘレンは、自分が目の当たりにした黒人への暴力の現実を、遠く離れて暮らす娘に宛て、遺書のかたちで書き残す。そして、彼女の家の庭先に住みつき、次第に心を通わせるようになったホームレスの男に、その遺書を託そうと決意するのだった―英語圏を代表する作家の傑作。

死を前にした女性の力強さに圧倒され、穏やかな死が訪れることを想像させられる、もしくはそう願いたくなるラストが胸にしみました。アパルトヘイトの絶望を、死を前にした女性が娘への遺書という形でつづられるところが秀逸。南アフリカに生まれたことも、老女に訪れる死も、どちらも自分の意思とは関係なく与えられた情況の中で理不尽と割り切ることのできない複雑さ感じます。この切り口で表現した手腕は素晴らしいですね。アパルトヘイトの絶望そのものを描写するのではなく、間接的に表現したところに、絶望以上の絶望を見せられました。夢中になって読みました。
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by umekononikki | 2012-11-26 18:56 |

類推の山

f0149664_21232755.jpg類推の山
ルネ・ドーマル 著
巌谷 国士 訳

はるかに高く遠く、光の過剰ゆえに不可視のまま、世界の中心にそびえる時空の原点―類推の山。その「至高点」をめざす真の精神の旅を、寓意と象徴、神秘と不思議、美しい挿話をちりばめながら描き出したシュルレアリスム小説の傑作。“どこか爽快で、どこか微笑ましく、どこか「元気の出る」ような”心おどる物語。

うわぁ~、シュールだなぁと、心躍らせながら読んでいたら未完だったのが残念なことろ。様々な読み方ができるのでしょうが、「類推の山」に象徴されるような、見えないものって案外誰でも追い求めているのかもしれません。なぜ自分が存在するのか?なんて、目に見える答えは見つからないのに、誰でも一度は考えたことがありますよね。案外自分だけかもと思っていた考えが自分ひとりではないように、物語の「類推の山」を信じる仲間が集まります。仲間があつまれば、多少の困難も乗り越えられるような気分になります。様々な知恵も資金も集まり、もっともらしい仮説も、いつの間にか間違いない確信に変わるんですからたいしたものです。そんな感じに始まった心の旅を、実際の旅にしたらこんな感じ的な楽しさがありました。
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by umekononikki | 2012-11-22 21:23 |

共食い

f0149664_19282061.jpg共食い
田中慎弥著

女を殴る父と、同じ目をした、俺。
川辺の町で暮らす17歳の少年。セックスの時に暴力を振るうという父親の習性を受け継いでいることを自覚し、懼れ、おののく…。逃げ場のない、濃密な血と性の物語。第146回芥川賞受賞作。


芥川賞受賞時のあの過激なコメントとは裏腹に、非常に心優しい方なのではないかと感じました。表題作は、苦悩する主人公に「大丈夫だよ。」と声を掛けているような印象が残りました。「芥川賞受賞」が、良くも悪くも作用した作品かな。世間の評判は賛否両論ありますが、私の耳にはイマイチな評価が多く、これは自分で読んで確かめてみようかと思い読んでみました。芥川賞受賞や、授賞式のエキセントリックな発言で、物語に対する先入観ができてしまい、その先入観がなく読んでいれば好みの部類に入る作品になったかもしれません。もっと刺激的な内容を想像しちゃったもんね。実際は薄汚い印象の舞台の割りに、以外にもストレートに優しさを伝える物語だったので肩透かしを食らった感じがしたんですもの。「第三紀層の魚」も暖かい作品で、先入観なしに出会いたかった1冊。
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by umekononikki | 2012-11-20 19:27 |

続・悩む力

f0149664_229160.jpg続・悩む力
姜尚中著

これまでの幸福像とはどのようなものだったか? 食べるに困らない収入、伴侶と何人かの子供、健康、老後のたくわえ――。それら既存の「幸福像」は、今まさに瓦礫へと化した。しかも、3・11後、神仏はおろか、現代社会の宗教とも言える科学への不信も極まり、寄る辺ない私たちの孤立はさらに深まった。ある意味、第二次大戦後よりも憂鬱なこの時代のただ中で、私たちがふたたび、幸福の感情に浸ることなど、果たして可能なのだろうか? そのヒントは、夏目漱石の100年前の予言と、「二度生まれ」というキーワードにこそある!
悩み抜いた末でなければ見いだすことのできない大切なものを、漱石、ウェーバー、ウィリアム・ジェイムズなど、偉大な先人たちの言葉を通して掴み取る。90万部のベストセラー『悩む力』の待望の続編!


漱石とウェーバーは前作では新鮮でしたが、今回こうも繰り返されるとねぇ。内容もつまらないことはないですが、前作ほど納得できるものではありませんでした。「悩む力」のタイトルから少しはなれ、本書の紹介にもあるように「幸福」について論じられている部分が多かったように思います。前作は筆者がいつまでもずるずると悩みの坩堝にははまり、長い長い悩みまくりの生活からある種の回答を得ることに勇気付けられました。しかしそんな悩みの坩堝から這い上がった後は、こうも全てに結論ありきのような展開になってしまうものかというような雰囲気でした。同意できる部分や、感心させられる部分はありましたが、これも一つの意見程度と割り切ったスタンスで読了しました。
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by umekononikki | 2012-11-19 22:09 |

罪と罰

f0149664_2384187.jpg罪と罰
ドフトエフスキー著
米川正夫訳

鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。

家の掃除をしていて押入れの奥から出てきた本のうちの1冊。ドフトエフスキーは「カラマーゾフの兄弟」以外は読んでないんですよね。学生時代に読了するまでが辛かった記憶に、他の作品を読もうとする気がおきませんでした。今回も辛かった・・・。とにかく読んでて辛い・・・。まぁ、タイトルが「罪と罰」なんですから、苦悩に満ちた内容であることは間違いないのです。そして、多くを考えさせられるのです。犯してしまった罪は、償うことができるのでしょうか。どんな罰が相当なのでしょうか。強欲非道な高利貸しの老婆なのですから、殺したのがラスコリーニコフでなければ、罪に対してここまで苦しむことは無かったかもしれません。そもそも罪とは、人々の心の奥底に潜む、その気持ちなのかもしれません。

画像は、ディミトリー・スヴェトザロフ監督の映画の「罪と罰(2007年/ロシア)」より。
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by umekononikki | 2012-11-18 23:09 |

山口晃展

f0149664_19262584.jpg平等院養林庵書院 襖絵奉納記念
山口晃展
~山口晃と申します 老若男女ご覧あれ~
美術館「えき」KYOTO

2012年11月14日、そうだ、京都へ行こうと、JR京都伊勢丹へ。平等院養林庵書院の襖絵奉納記念の山口晃展です。作品集や本を出されているので、書店では何度も眼にしているのですが、ナマで観るのは今回が初めて。楽しみ~と、足取り軽く会場へ。平日のお昼時とあってか、人は少なめ。芸の細かい作品が多いので、かぶりつきで観たかったんですよね。大きな作品も離れてみれば迫力の画面なのですが、近づいてよぉ~く観ると笑っちゃう要素あり、描写の細かさに関心もさせられ、1枚で2度美味しさを味わいました。戦国武将に混じり現代人がいたり、馬かと思うと機械だったりと、違和感無く大真面目でユーモラスに表現した世界に魅了されました。五木寛之作「親鸞」の挿絵も物語は読んでいないのですが、場面の緊迫感や迫力などを小さな画面でここまで魅せられると、「親鸞」読んでみようかなという気にさせられます。そんな大真面目な挿絵の中にも笑える作品もあり、思わず美術館にいることを忘れ笑顔で作品を観ていました。そう、美術館に難しい顔で観る芸術とは違った、笑いながら楽しみながら観ることのできる展覧会でした。
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by umekononikki | 2012-11-14 19:26 | 展覧会