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展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

冬の夜ひとりの旅人が

冬の夜ひとりの旅人が_f0149664_16591060.jpg冬の夜ひとりの旅人が
イタロ・カルヴィーノ著
脇功訳

次々に斬新な方法を創り出すイタリアの作家の、型破りな作品。すぐに中断してしまう、まったく別個の物語の断片の間で右往左往する「男性読者」とそれにまつわる「女性読者」を軸に展開される。読者は、作品を読み進みながら、創作の困難を作者と共に味わっている気持ちになる、不思議な小説。

斬新な展開に、頭を抱えながら読んでしまいました。様々な物語が断片的に挿入され、どれ一つとして取っ掛かり部分だけで終わっていまいジレンマを抱えてしまいます。それでも一応「男性読者」がどうなるのかと、先を読まずにはいられない魅力もあります。(しかし、読み進めるには、努力が必要でしたが・・・。)そんな、「物語を読む」という迷宮に迷い込み、最後はこんなオチでいいのかと益々迷宮深くに迷い込みます。これも作者の仕掛けた罠に、見事にはまってしまったといえるのでしょう。
# by umekononikki | 2013-02-17 16:59 |

中国 王朝の至宝

中国 王朝の至宝_f0149664_19424739.jpg中国 王朝の至宝
神戸市立博物館

2013年2月16日、小雪の舞い落ちる中、三宮の神戸市立博物館へ「中国 王朝の至宝」展を観にいって来ました。いや~、寒かった。でも、博物館内は暖か。癒されます。
さて、展覧会。土曜日とあって、お昼時を狙っていたせいか、はたまた、尖閣問題のためか人は少なめに感じました。まだ始まって2週間ですから、これから人出も多くなるのでしょうね。
中国最古の王朝「夏」から「宋」にわたる王朝の国宝級の品々が展示されていました。印象的だったのは、チラシ等でも紹介されている「阿育王塔」に「跪射傭」。宣伝に偽りなしの、国宝級の品々がずらりと並び見応えのあるないようでした。しかし、問題は私自身にありました。中国史に疎い。疎すぎるんです。時代的にも、場所的にも、相当幅のあるな内容だったにもかかわらず、だんだんとどれも同じに見えてくるんです。情けない。それでも丁寧な解説があり楽しめたので、良かったのですが・・・。一つ一つは、独特の意匠で面白かったです。ただ、時代的な幅が感じられなかったのが残念。学生時代に七五調で覚えた「殷周秦漢三国晋・・・」を思い出しつつ、博物館を後にしました。
# by umekononikki | 2013-02-16 19:44 | 展覧会

久保修 切り絵の世界展

久保修 切り絵の世界展_f0149664_22433432.jpg久保修
切り絵の世界展

阪急うめだ本店9階 阪急うめだギャラリー

2013年2月15日の仕事帰りに行ってきました。
なんだか、お店の人も見ている中でギャラリーの入り口を写真に撮ることに気が引けて、自宅に帰ってチケットとチラシを写真に撮ってみました。今回は阪急百貨店とギャラリーで開催されているため、ペルソナカード提示で\700が\500になりました。でもどうなんでしょう?やはり割高感は否めないかも。だって、京都伊勢丹や大丸の美術館はもっと見ごたえがあるように思うのです。
まぁ、何はともあれ、作品は素晴らしかった。昨年、京都伊勢丹で拝見してから、すっかり虜にさせられています。切り絵という既成の概念に縛られまくっていた私には、衝撃的といっても過言ではありませんでした。そんな久保修氏の展覧会、見逃すわけにはいきません。今回は関西の情景を中心に、食べ物に、海外の景色を、多種多様な素材を用い、どうやって表現してるの?と思わず食い入るように観てしまいました。チラシやチケットに使われている「兎の波渡り」は、意外と小さな作品で、照明の作品のある隅っこのほうにひっそりと飾られていました。これも面白いんだけど、やはり食材の作品の方が楽しめたかも。他に、タイトルは忘れましたが、画面いっぱいの瓦屋根に雪が降っている作品が印象的でした。何が印象的って、よぉ~く観ると雪の表現が素敵。一つの画面に春夏秋冬を現した作品は、昔の日本画のよう。(はっはっはっ、「昔」ってあいまい~。素人ですから許してください。)
緻密な作業から生まれる、大胆かつ繊細な世界に魅了されました。楽しめました。
# by umekononikki | 2013-02-15 22:43 | 展覧会

わたしの渡世日記

わたしの渡世日記_f0149664_22281112.jpgわたしの渡世日記
高峰秀子 著

女優・高峰秀子は、いかにして生まれたか―複雑な家庭環境、義母との確執、映画デビュー、養父・東海林太郎との別れ、青年・黒沢明との初恋など、波瀾の半生を常に明るく前向きに生きた著者が、ユーモアあふれる筆で綴った、日本エッセイスト・クラブ賞受賞の傑作自叙エッセイ。映画スチール写真、ブロマイドなども多数掲載。

昨年は失業中でしたが、今月から働き始めました。う~ん、仕事に慣れるまでは読書もスローペースになるでしょう。加えて春から、これまで勉強したいと考えていたことを始めようかと検討中。益々、読書の時間が減ります。
さて今回は女優、高峰秀子。はっはっはっ、まずは笑って誤魔化してみました。だって「高峰秀子」さんを存じ上げない。しかしこの方の人生は面白かった!時代背景もさることながら、家族に戦争、女優としての生き様から著名人との交友関係まで、持って生まれた魅力もあるのでしょうが、普通の人間ならとうに根を上げてしまいそうな苦難を乗り越えてこその魅力が、読者を惹きつけてやまないのでしょう。「こんなこともありました。」と、その苦難をこれほどあっさりと書いてしまう辺り、この人は人生で何を見て何を考えて、どんな境地にいるのだろうと思わずにはいられません。できれば苦労はしたくないのですが、誰しも苦労してこその成長で、人生は決して苦労だけでは終わらず、その裏には幸せな時間もあることを知っています。回りを見れば彼女の様な著名人ではなくとも、尊敬する方々がいます。そんな方々の支えもあり、改めて人生を前を向いて歩んで生きたいと元気をもらえました。面白かったです。映画も併せて観てみようと思います。
# by umekononikki | 2013-02-10 22:29 |

ジョン・マン 大洋編

ジョン・マン 大洋編_f0149664_2254955.jpgジョン・マン 大洋編
山本 一力 著

十四歳になった万次郎は、初めて乗った船で嵐に巻き込まれ遭難するが、伊豆諸島南端の島に流され、五ヵ月後に捕鯨船ジョン・ハウランド号に救助される。船員たちから厄介者扱いされる中、必死に動き、働き、生き抜く。クジラとの格闘を目の当たりにし、日本人として初めてハワイを見、そして一路アメリカ大陸を目指す。

相変わらず進展は僅かなんだけど、面白くはなって来ました。万次郎14歳で、この力強さ!こりゃ大物になるはずだわ。「中浜万次郎」といえば、アメリカから日本に帰ってきて以降の活躍しか知らないので勉強になります。また、アメリカの船乗りたちの言動も、さすがと感じさせられます。この人たちがこれほど万次郎を正当に評価していなければ、ジョン・マンは誕生しなかったでしょうね。続きが楽しみなのですが、このペースで最後まで忘れずに読むことができるかが不安。
# by umekononikki | 2013-02-06 22:54 |