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展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

西行花伝

西行花伝_f0149664_2305992.jpg西行花伝 辻邦生著

章ごとに様々な人たちが語る形式で、西行の生涯が語られる。

西行といっても、ほとんど知らない無知な私です。本屋に五木寛之氏の「西行」が、平積みされていたなぁ・・・くらいです。やっぱり調べます、wikiで。

西行(さいぎょう、元永元年(1118年) - 文治6年2月16日(1190年3月23日))は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武士・僧侶・歌人。 父は左衛門尉佐藤康清、母は監物源清経女。同母兄弟に仲清があり、子に隆聖、女子(西行の娘)がある。俗名は佐藤義清(さとう のりきよ)。

更に調べると物語通り、出家して僧侶になりますが、「お坊さん」というより「歌人」であったようで、勅撰和歌集(二十一代集)に、計265首が入撰しています。

しかし正直なところ、日常生活から遠いところにある「和歌」は、いまいちピンときません。読んで解釈し、感じる手続きを踏む心の余裕が無いのかしら。ニュース記事のように、そのものを書いてくれないとってところが、私もまた現代人なのかも?そのものを書かない、行間の様な所があるのが、「和歌」が「和歌」たるゆえんなのでしょうが・・・。

避けることのできない人の死や、生々しい政権争いに対し、西行の和歌はいつも森羅万象(いきとしいけるもの)に対する愛に満ちていて、その対比が面白かったです。ただ後半になると、西行の和歌が美しすぎて俗世離れした感じが私にはきつかったなぁ。
正直なところ、僧侶になったにも関わらず僧侶らしくなく、どうしてこんなにきれいな「和歌」を詠めるのかも、理解はできても感じることができなかったかな。
それでも美しい描写で、掌にキラキラしたかけらが残った印象の本でした。
by umekononikki | 2010-05-26 23:02 |