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展覧会と本と韓国ドラマと時々K-POPかな・・・。

by 梅子

ボストン美術館展

ボストン美術館展_f0149664_185214.jpgボストン美術館展~西洋絵画の巨匠たち~  京都市美術館

7月23日(金)、京都の最高気温は37.0℃だったようです。酷暑の中だったので、すっかり写真を撮るのをわすれ、京都市美術館のHPよりマネの「ヴィクトリーヌ・ムーラン」を貼らせて頂きました。
美術館入り口には、入場者整理用に柵が張られ入場までの時間案内のボードも用意されていました。さすがに平日だったので、入場制限は無く入れたものの、人の入りは多かったです。

「名画のフルコース」とはよく言ったもので、誰もが知っている画家の作品が並んでいました。

会場に入ると、まず、エル・グレコ「祈る聖ドミニクス」。エル・グレコの劇画調な感じは、どうしても「北斗の拳」を思い出すのよね。そして、幼い頃、倉敷の大原美術館で観た「受胎告知」の衝撃を思い出し、いきなりテンションが上がります。

レンブラント「ヨハネス・エリソン師」と、その妻の肖像画が2枚並んで展示。これは174.0x124.5cmと、非常に大きな肖像画です。もうレンブラントは、言葉が見つかりません。あたかも、現実より現実らしい存在感があります。全身を描いた、しかもこの大きさの肖像画は、レンブラントの作品の中でも珍しいものだそうです。

そして、マネの「ヴィクトリーヌ・ムーラン」。日曜美術館の姜尚中氏が、朝日新聞だったかに記事を載せていました。その中で次のようなことを書かれていて興味深かったです。マネは揺れていたと。従来の美の基準を打ち破りたいが、モネのような独自の技法を生みだすまでの革命的なことができなかった、そういった「揺れ」があったのではないか、といった内容です。(手元に記事が無いので、表現が違ってると思います。)う~ん、面白い。確かにこの展覧会に出展されているもう一枚の絵「音楽の授業」も、構図が斜めになり、その「くるい」と人物の配置で感じる「安定」のバランスが面白いんですよね。いかにも確信的に従来の表現方法を打ち破る反面、もう一歩踏み出せそうで、踏み出せていない。そこに「揺れ」を感じます。

エドガー・ドガ「田舎の競馬場にて」。展覧会のチラシに載っていましたが、まさかこんなに小さな絵とは。36.5x55.9cmの中に、広々とした草原と高い空が表現されていて、宇宙を掌に乗せたような満足感があります。
ジャン=フランソワ・ミレー「刈入れ人たちの休息(ルツとボアズ)」「馬鈴薯植え」。ミレーの描く、乾いた空気感がたまりません。他に、ベラスケス、コロー、シスレー、説明不要の名画が並んでいます。贅沢な内容ですよね。
ピエール=オーギュスト・ルノアール「日傘をさした女性と子供」。先日、大阪・中之島でルノアール展を観てきたところですが、この絵は秀逸。あの展覧会を凝縮したような、充実感があります。

そして、この展覧会で大きくスペースを割いたクロード・モネ。この人の絵を、美しくないと言う人が居るでしょうか。万人が観て、万人が素直に美しいと言える絵ですよね。

ああ、私がもし学校の先生なら、夏休みには是非この展覧会に行くよう勧めるほど、有無を言わせぬ素晴らしい内容です。が、そんな夢の様なひと時も、美術館を出るとむせかえるような暑さ。市バスで四条河原町まで戻りましたが、混雑するバスの中も酷暑。図録の重みがこたえます。三条大橋では、この暑さの中でも「高山彦九郎像」は御所にむかって崇拝していました。ご苦労様です。

それにしても、絵ハガキが1枚¥150とは。何気に10枚選んで¥1,500と考えたら、¥2,300の図録を買うことに。表紙が3種類あり、私が選んだのはミレーの「馬鈴薯植え」。他はゴッホとモネが表紙でした。どうしてこんなに悩ませる図録にしたのかしら。今でも「ゴッホ」の方が良かったかな、いやいや、「モネ」も綺麗だったよなと、「ミレー」が表紙の図録を眺め思い悩んでます。でも、やはり「ミレー」にして良かった。
by umekononikki | 2010-07-26 18:05 | 展覧会