結婚のアマチュア
2012年 04月 15日
結婚のアマチュア
アン・タイラー著
中野恵津子訳
結婚30周年を祝うパーティが開かれた晩、「それなりに楽しい結婚生活だったわよね」と振り返るポリーンに、「地獄だった」と夫のマイケルはつぶやく。それはいつもの夫婦喧嘩のはずだったのだが―どこにでもいる夫婦の60年間を、円熟味あふれる筆致で巧みに描く。しみじみおかしくてほろ苦い“身につまされる”小説。
これは本当に「身につまされる」物語。夫婦の関係、親子の関係共に、多くの人が共感できるのではないでしょうか。
愛し合って結婚したはずなのに、相手の箸の上げ下ろしすら気に食わなくなるのは、相性が合わなかったのか、時間のなせる弊害なのか。子供にもあきれてられてしまうほど滑稽だと、分かっているけど我慢できない。この妻、夫、子供たちの視点が、実に上手く捉えられていて、三者の立場がそれぞれに納得できるんだから、上手いなぁと関心させられます。
このこじれたところに綾小路きみまろが登場すれば、案外上手くいくのかもしれませんね。しかし都合よく、自分たちの状況を笑いに変えてくれる人が登場するわけがありません。
共感したくないけど、共感できる物語でした。面白かったです。
アン・タイラー著
中野恵津子訳
結婚30周年を祝うパーティが開かれた晩、「それなりに楽しい結婚生活だったわよね」と振り返るポリーンに、「地獄だった」と夫のマイケルはつぶやく。それはいつもの夫婦喧嘩のはずだったのだが―どこにでもいる夫婦の60年間を、円熟味あふれる筆致で巧みに描く。しみじみおかしくてほろ苦い“身につまされる”小説。
これは本当に「身につまされる」物語。夫婦の関係、親子の関係共に、多くの人が共感できるのではないでしょうか。
愛し合って結婚したはずなのに、相手の箸の上げ下ろしすら気に食わなくなるのは、相性が合わなかったのか、時間のなせる弊害なのか。子供にもあきれてられてしまうほど滑稽だと、分かっているけど我慢できない。この妻、夫、子供たちの視点が、実に上手く捉えられていて、三者の立場がそれぞれに納得できるんだから、上手いなぁと関心させられます。
このこじれたところに綾小路きみまろが登場すれば、案外上手くいくのかもしれませんね。しかし都合よく、自分たちの状況を笑いに変えてくれる人が登場するわけがありません。
共感したくないけど、共感できる物語でした。面白かったです。
by umekononikki
| 2012-04-15 22:12
| 本